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第44話
「や、やだ、正和さっ――」
「だから『先生』だって」
本当に嫌で懇願しているのに、彼はクスクス笑ってそんなことを言う。
「せんせっ……あぁっ、や、イく、イっちゃ……っ」
「イったらもう一つローターつけて、夜までベッドに縛り付けるから」
耳元で楽しそうに囁く正和さんに背筋がゾクリと震える。
「やだ……ゆる、して……ごめ、なさい」
「ほら、イかないように自分で押さえとかないと」
そう言って掴まれていた手を張り詰めている男根に誘導され、絶頂を迎えないように仕方なく握った。
彼が何に対してそんなに怒っているのかわからなくて、ただただ耐えるしかない。
頬を伝い零れ落ちる涙を正和さんが舌で舐めとって、慰めるように目元にキスをする。
(課題やってただけなのに、何で……こんな…………あ、そっか……)
「べん、きょう」
「ん?」
「おしえて、ください……正和せんせ」
「……どうしようかなあ。純が嫌々してたから気が削がれちゃった」
そう言いながら俺の腹部を撫で回す。そのまま耳を甘噛みされれば、腰がビクビク跳ねて小さく喘いだ。
「おねがい、します……おねがい、だから」
「……仕方ないなー」
呆れたように言った彼に、ようやく二つの電源を切られる。ぐったりと胸にもたれ掛かると、彼俺の耳元でクスッと笑った。
早速シャーペンを手に取った彼は、ノートに例題を書き始める。
「この問の場合――」
意外にも真面目に教えてくれるものだから驚いた。
後ろには玩具が入っているし、中心は未だ上を向いたままだが、早く熱がおさまるよう勉強に集中する。
「正解」
彼の説明が分かりやすくて、間違った所も応用してやるとすんなりできた。
「良くできました」と、正和さんに頭を撫でられて自然と笑みが浮かぶ。こうやって、正和さんに褒められると何故だか凄い嬉しい。
「ご褒美」
彼はそう言って、突然後ろの玩具を引き抜いた。
「やっあぁっ」
球体二つを一気に引き抜かれて声を上げずにはいられない。内壁を抉るようにして滑り出るそれは、入れる時の数倍刺激的で、びくん、びくん、と体を震わせた。
「正解したら抜いてあげるね」
「や、やだ……」
「だってずっと入れとくわけにいかないでしょ?」
彼はクスクスと笑いながら、次の例題を書き始める。
彼の説明を聞いた後、先ほどと同じように応用して問題を解く。だが、俺が書いた解答を見て、彼は机を人差し指でトントンとしながら低い声音で言った。
「不正解。俺がこんな丁寧に教えてるのに間違えるなんてねー」
「……ごめんなさい」
(だって数学とか凄い苦手だし……)
「お仕置き」
「やっ、あうう」
球体を再び押し戻されて、先走りの液が滴り落ちる。それが正和さんの紺色のズボンにシミを作って、彼は咎めるように俺の男根を指先でピンッと弾いた。
「お仕置きなのに悦んじゃって悪い子」
「っ、もうやだ、やめて……お願い、やめて」
こんなことがいつまで続くのか考えたらゾッとして、涙を零しながらお願いする。
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