45 / 494
第45話
「そんなにやめて欲しい?」
クスッと笑って聞いてくる彼にコクコクと頷く。
「じゃあ今晩は純から誘って」
「誘うって……?」
いったい何を誘えと言うのだろう。
「俺のことベッドに誘ってその気にさせてよ」
「いみ、わかんない」
「昨日は薬のせいでえっちな事いっぱいしてくれたけど、シラフだったらどうなのか……純も興味あるでしょ?」
彼はニヤリと口角を歪ませて、いたずらに俺の乳首を抓る。
「っ、そんなこと、俺は……」
「普通に教えて欲しいんでしょ?」
「でも……またこう言う意地悪……」
「純から求めてくれるなら今日は優しくしてあげる」
そう言って俺の前髪をあげると額に軽くキスをした。
「今日は」と言う言葉が引っかかったが、正和さんが言ったことを守る人だと言うのは、この数日で理解している。
「わかった、やる、から……」
「約束だよ」
そう言って楽しそうに微笑むとアナルビーズに手をかけ、ピンッと引っ張った。思わず喉をゴクリと鳴らして、来るであろう刺激に気構える。すると容赦なく、全部一気に引き抜かれた。
「あっあぁ、やぁあん」
体をビクビク震わせて絶頂を迎えると、白濁とした液がテーブルの上の課題にも飛び散った。恥ずかしくて顔を赤く染めていると、彼は追い討ちをかけるようにクスクス笑って言う。
「後ろだけでイったの?」
「っ……」
「これ拭いても跡が残りそうだね」
彼は服の袖で問題集についている白濁液を拭ってそんなことを言った。相当注意して見ても何の跡かなんて分からないだろう。だが、学校へ提出する物にそんな跡をつけてしまうなんて最悪だ。
(もうやだ……恥ずかし過ぎて泣きたい……)
その後は、お昼まで普通に勉強を教えてもらった。そのおかげかあっという間に数学の課題を全て終えて、汗と白濁液でベタベタする体を洗うためにお風呂に入った。
お昼を食べ終えて物理の課題をやっている間、正和さんは隣に座って仕事をしていた。たまに分からない所を教えてもらったりしながら夕方までには終える事ができ、苦手な二科目を一日で終えて気分が良い。……はずだった。
正和さんの作ったエビチリや青椒肉絲を食べながら今晩のことを考える。成り行きで、自分から夜のお誘いをしなくてはならなくなってしまったので、どのタイミングでどのように誘ったら良いかとても悩んだ。
約束をすっぽかしてしまおうとも考えたが、後が怖い。そんなことをしたら、きっと今まで以上に酷いお仕置きをされるに違いないのだ。
「……ごちそうさまでした」
「それじゃ俺は八時まで仕事してるから」
「……うん」
食器を片付けて、歯磨きして自分の部屋へ向かった。
(あ、そういえばスマホ返してもらったんだ)
今朝返してもらったスマホを思い出し、リビングに取りに戻る。それを持って、部屋に行きながらメールを確認するが、全部迷惑メールだった。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!