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第47話

「えっち、しよう?」  ちゃんと目を見ながら言ってみた。座っていても彼の方が背が高いから自然と上目遣いになってしまう。もしかしたら、恥ずかしくて顔も赤いかもしれない。 「随分とストレートな誘いだね」  正和さんは楽しそうにニコニコ笑う。嫌みなニコニコ顔ではなく、本当に楽しそうな優しい顔で。 「こうじゃ、ない?」 「ううん、可愛いよ」  不安になって聞くと頬をそっと撫でられた。 「でももっと……俺がその気になるようなことして欲しいな」  そう言われても具体的に何をしたら良いのだろう。 「……俺としたくてたまらないって、もっと俺のこと考えて」 (正和さんとしたくてって……) 「っ……」  そんなこと言われたら、昨日のことを思い出してしまい後ろがキュンと疼く。一度意識してしまったそこは、快楽を求めてヒクヒクと主張し始めて、脚をもじもじ擦りあわせた。  顔が熱いからたぶん赤いし、視界がぼやけてきたから目も潤んでいるだろう。そんな俺を見ていた正和さんは、俺の右手を自分の股関に持って行き、そのままそっと握らせてくる。 「舐めて」  どうしたら良いか分からない俺は彼の言う通りにする。ソファから降りて正和さんの足元へ行き、緊張して震える手でカチャカチャとベルトを外した。  ズボンのホックを外しジッパーを下げると黒い下着が見える。思い切って下着のゴムに手をかけズボンごと下ろすと、腰を浮かせてくれたおかげで簡単に脱がせることができた。  正和さんはその服をソファの背に掛けて、俺を見下ろす。  まだ何の反応も示していない彼の中心に優しく触れると、彼のお腹がぴくりと動いた。昨日と違って薬を使ったわけじゃないから、とても恥ずかしい。それに男のものを咥えるのは、まだかなり嫌悪感がある。  けれども、そうは言ってられないので、そっと口に含んで優しく舐めた。実際にやってしまえば、清潔な石鹸の香りがして、なんてことはない。  昨日したように正和さんの感じる所を一生懸命探しながら頭を上下に動かせば、次第に大きくなってくる。じゅぷじゅぽと厭らしい音を立てながら、舐めたり吸ったりすれば、あっという間に硬くなった。口の中に先端しか入りきらなくなった頃、唇をそっと離して彼を見上げる。 「ベッドいこう……?」  微笑んで立ち上がった彼の手を引いて、近くのベッドまで移動すると二人でその上に座る。 「舐めながらこんなにしちゃったの?……可愛い」  まだ触れていないのに既に勃ち上がって主張しているそこを指摘され、顔が真っ赤に染まった。 「っ、だって……正和さんのこと考えろって言うから……したく、なっちゃって」 「今日は素直だね」 「……正和さんが優しい、から」 「んー、いつも優しいつもりなんだけどなぁ」  彼は俺のことを押し倒すと深く口づける。何度も舌を絡め合うと息が上がって、それだけで全身がとろとろに蕩けそうだ。 「はぁ、ん」 「愛してるよ」  正和さんはそう言って、とても優しく俺を抱いた。

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