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第61話
「大丈夫だよ。何回も経験あるから慣れてるし」
「え……」
(何回も経験あるって……)
「あ、病院に勤めてた頃の話だからね。下手な看護婦の代わりに呼び出されることがあってさ。もちろん患者に対して変な気持ちはなかったし、勘違いしないで」
「え……正和さんって医者だったの……?」
「まあ、一応」
正和さんはニコリと笑って、少し得意気だ。
彼の意外過ぎる一面を知ってしまって驚きを隠せない。
(こんなに意地悪で、エロいお仕置きをするのが好きな変態なのに、人を助けるお医者さんとか……)
「どうする? 我慢するのとカテーテル」
『どっちが良い?』と、耳元で囁く。
耳が弱いからなのか、尿意を耐えているせいなのか、背筋がゾクゾクッとして、腰の辺りがジン……と痺れた。
どうせ最初からカテーテルをやるつもりのくせに、有って無いような質問をしてくる彼は本当に意地悪だ。
彼はニヤニヤしながら俺の下腹部を撫でると、悪戯にそこを押す。
「あ、ぅ……だめ……っ」
「ねえ、どっちが良いの?」
耳に息を吹きかけられて、腰を撫でられると体がビクビク震えて、尿意を我慢しているはずなのに、射精を我慢しているような感覚になってくる。何故だか分からないけど凄い気持ち良い。
「へ、ん……っ、からだが」
「あれー? 気持ち良くなってきちゃった?」
俺の体をゆっくり撫でながらクスクス笑う。
「おしっこ我慢してこんなとこ勃たせるなんて、純って変態だね」
少しだけ大きくなり始めた中心を見てニヤニヤ笑う。
「っ……やだ、違う」
「違わないでしょ」
(もうやだ……体がおかしい)
「それで、どうするの? 早く決めないと意地悪しちゃうよ」
既に意地悪しているのに、これ以上何をするつもりなのだろう。
「か……カテーテル、入れて、ください」
「これを入れて欲しいの?」
わざと羞恥を煽るように確かめてくるから、瞳にはじわじわと涙が溜まる。コクリと頷くと正和さんは楽しそうに目を細めた。
「我慢するより、これを入れられて俺に見られてしたいんだ?」
「ちがう……っ」
「違うの? じゃあ我慢する?」
それを片付けようとする彼を慌てて止める。先ほど水を飲んだせいか、もう我慢できそうもなかった。
「ゃ……違わない、です」
「だったら『カテーテル入れておしっこしながらイっちゃうとこ見てください』って言ってごらん」
どうしたらそんな恥ずかしいセリフを思いつくのだろう。というか、イくのも確定なのだろうか。
(もうやだ、何でこんなに変態なんだ……漏れそうなのに……!)
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