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第65話

「今のままでも良いなら俺はそれでも良いけど」  そう言って正和さんは言葉を区切り、ばつが悪いとでも言うような顔をする。 「……やっぱり一方的に監禁してるんじゃ、純もそのうち寂しく思うんじゃないかな」  はにかみながらそんな事を言う正和さんが少し愛しく思えた。監禁するような変態だけど、彼なりに色々考えてくれているのだろう。 「だから、正式にお付き合いしませんか?」  照れ隠しなのか、少しおどけたような口調で交際の申し込みをしてくる。そっと手を取り、手の甲にキスをされると、胸がドキドキ高鳴った。 「純?」 「ッ……」  答えを催促するような呼び方に、頬を真っ赤にして顔を背ける。 「俺のこと嫌い?」 「そうじゃ……ない、けど」 「じゃあ純の気持ち聞かせて。……俺のこと好き?」 「知らない。俺は男なんか好きじゃ――」 「いい加減素直になったら?」  俺の体を組み敷いて、シャツをたくし上げると乳首に吸い付いた。ピチャピチャと音を立てながら舐めたり吸ったりされると、刺激はダイレクトに下半身へ響く。 「や、ぁ……はぁん……っ」  体を捩っても執拗(しつよう)に舐め回されて、次第に頭がぼーっとしてくる。  どっ、どっ、と脈の音が耳元で聞こえ、火照った体にはじんわりと汗が滲んで、キメ細やかな白い肌は赤みを帯びて艶が増した。  正和さんは胸を舐めながら俺のズボンに手をかけると、ゴムを引っ張って脱がせてくる。  そして、口の中に二本の指を入れて、中をぐちゃぐちゃとかき回した。 「んぅ……はぁ、ん、ふ」  指で口腔内を弄られて、まるで舌を絡めてキスをしているかのような感覚に、体は与えられる快楽を期待して震え出す。  口から指を引き抜かれると、唾液で濡れた指がテラテラ光って、さらに厭らしい気持ちにさせられる。彼はその手を見せつけるかのように、ゆっくり下に持って行くと蕾を軽くなぞった。  つぷん、と指を中に入れられて、内壁をなぞるようにくるりと一回転される。 「は、あっ……正和、さん」 「胸でこんなに感じて、後ろに入れられて喜んで……もう女の子なんて抱けないでしょ?」  指を引き抜いて、焦らすように蕾の入口を撫でられると、俺の意思とは関係なく、物欲しそうにヒクヒクと収縮した。  正和さんは俺の目をを真っ直ぐ見て、俺の唇をゆっくりなぞる。

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