「どうされたい？」 「……入れ、て」 「純は付き合ってもない人とそう言うことしたいの？」 「まさかず、さん……」 　付き合うどころか無理やり抱いてきた人が何を言うんだ、と思ってキッと睨み付ける。それなのに、彼は優しく微笑んで俺にキスをした。 「言って。俺のこと、どう思ってる？」 「や、だ……俺は……」 「言わないなら続きしないよ。前も後ろもこんなに喜んでるのにいいの？」 「そんな……だって、正和さんのせい」 「そうだよ」 　俺の硬くなっている中心部を扱くように撫でて、先端を指先で弾く。 「俺に触られて、俺のこと考えて、こんなになっちゃったんでしょ？　可愛いね」 「っ……」 　そうやって俺の言葉を肯定されてしまったら、これ以上反論なんてできない事を分かって言っているのだろうか。 　そのまま優しい声音で「愛してるよ」って囁くものだから泣きたくなった。 「～～っ、正和さんのせいだから……責任、とってよ」 　呟くように言うと、彼はクスリと笑う。 「もちろん。……俺と付き合ってくれる？」 　顔を赤く染めてコクリと頷き、正和さんの背中に手を回す。彼は、抱きついて隠れた俺の顔を覗き込もうと、少し体を離して聞いてくる。 「俺のこと好き？」 　少し躊躇って再びコクリと頷くと、正和さんは優しく微笑んでキスをする。 「ちゃんと言葉で聞きたいな」 「っ……す、好き」 「可愛い」 　彼は真っ赤に染まった俺の頬を優しく撫でて、唇を重ねる。 「ふふ、恋人同士の方が良いでしょ？」 　よく分からないけど、想い合ってるのも悪くない。一方的に監禁されて捕まっているよりは、自分の想いを理解してくれている気がして。 （うん、少し嬉しい……かも） 「まあ、別れるなんて言ったら閉じ込めて、お仕置きだけどね」 　そんなことを言う彼は、やっぱり変態だなって思った。でも後悔はしてない。人よりちょっと……いや、かなり束縛が強いだけ。俺のことが好き過ぎて変態なだけ。 「正和さん……抱いて？」 「っ……」 　火照った体は早く触って欲しくて。正直に「好き」と認めたせいか、素直にそんな事が言えた。 「泣いてもやめてあげないから」 　彼は目をスーッと細め手そう言うと、優しく、激しく、朝方まで俺のことを抱いたのだった。