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第67話 【第二章】

 秋休み最後の日。  午前中は寝て過ごした。お昼ご飯も食べ終わり、自分の部屋へ行こうと席を立つ。今日は朝五時頃まで情事に(ふけ)っていたせいで、まだ少し眠いし、腰が凄く痛い。  もう嫌だと言っても、何度も体勢を変えては交わり、眠くて意識が飛びかけると良い所ばかりを執拗に責められ、本当に死ぬかと思った。  いや、これで意地悪な事をされてたら本当にヤバかったと思う。変態で絶倫とかこの先大丈夫なんだろうか。 「犯されました、って感じの歩き方で可愛い」  変な事を言ってるから、そのまま素通りしようとしたら、後ろから抱きつかれ思わず腰が逃げる。 「課題は終わったの?」 「き、昨日終わらせた」 「必要な物は? 買いに行かなくて平気?」 「ん、大丈夫」 「じゃあ一緒に寝ようか」  俺の体がふわりと浮き上がり正和さんの顔が近くなる。横抱き……俗に言うお姫様抱っこをされていた。 (顔が近い……)  恥ずかしくて正和さんの胸に顔を(うず)めると、クスッと笑う声が聞こえた。大人っぽくて男らしいセクシーな匂いに心臓がドキドキする。  正和さんの部屋まで連れてこられると、大きなベッドの上にそっと下ろされて、その隣に正和さんも入ってきた。そのまま俺に抱きついて腕枕をし、触れるだけのキスをするとにっこり微笑む。 「ほんと可愛い」  手はゆっくりと胸に伸びてきて乳首を撫でる。 「っ……や、やだ」 「なにが?」 「何って……そういう、触りかた」 「なんで?」 「……だって、変な気持ちに」  恥ずかしくて赤くなった顔を隠すように俯いて、彼の服をぎゅっと握る。 「良いじゃん。ちゃんと最後までしてあげるよ」 「きょ、今日はもう……」  つい朝方まで散々していた人が何を言ってるのだろう。 「ぁっ……だめっ! ほ、ほんとに腰痛いし……っ」 「ふーん?」  乳首を摘まんで捏ね回してくる手を思わずパシンッと払ってしまい、正和さんが意味深長に呟いた。次に何をされるのか怖くて、恐る恐る顔色を伺う。  彼は見せつけるかのように、振り払われた手をじっと見つめて、俺の顔をチラッと見た。 「ごめ、ん……叩く、つもりじゃ」 「いいよ」 「え……?」 「ごめんね。そんなに触られたくないなら、もう触らないから安心して」 (へ?)  ニコニコと貼り付けたような笑みを浮かべて、俺の首の下から腕を抜き取ると、俺に背を向けて布団をかける。 「正和さん……?」  不安になって名前を呼ぶが返事がない。そこまで怒るような事をしただろうか。どうしたら良いか分からなくて心臓がバクバクする。

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