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第73話

 そのまま固まっていると、紙袋から何かを取り出す。男性器を模した無機質なそれは、正和さんと同じくらい太くて大きい。 「うそ……」  これから学校へ行くのに、そんな物を出されて目を疑う。正和さんはなんの躊躇もなく、俺のズボンを下着ごと下ろして剥ぎ取った。 「このバイブ、パソコンとか携帯でも操作できるんだって。凄いよね~」 「バイブ自体がネットに繋がってて認証コードを入れると操作できるみたい」なんて、嬉々として説明しているが、俺の頭は逃げる事でいっぱいだし軽く混乱している。  正和さんは俺の腰を押さえて、玩具に潤滑剤を塗るとそのまま蕾にあてる。ヒヤリとした感触に腰が逃げるが、押さえられていたので僅かに動いただけだった。 「一昨日たくさんしたから柔らかいと思うんだ」  そう言って、ゆっくり玩具を押し進めてくる。 「っ……はぁ、ん」  彼の言う通り、解れているのか痛みは全くなかったが、圧迫感に眉を(ひそ)める。  悪戯に玩具をくるりと回されれば、体がビクビク跳ねて、甘い吐息をこぼした。 「はぁ、あ……んっ」 「入ったよ」  満足そうに言う正和さんに、休む間もなく体を起こされる。そして、首に何かをかけられた。  首から垂れ下がり、いくつもの結び目がついたそれは縄だ。抱きかかえるようにして立たされて、縄を後ろに回して縛られる。 「ただの亀甲縛りじゃ面白くないよなぁ」 「やだ……正和さん、何して」  ぼそりと呟いて縛っていく正和さんが怖くて、服の裾を引っ張って、やめて欲しいと目で訴える。だが、慣れた手付きであっという間に縛られてしまった。  体の自由は奪われていないが、胸や股間をぎゅうぎゅう締め付けていて、すごく変な感じがする。 「これでバイブも抜けないね。あとは……」  また紙袋から何かを取り出す。 「もう、やだ……っ」  彼は、涙の溜まった目元を親指で優しく拭って、宥めるように頭を撫でてくる。そして、俺のペニスにリング状の何かをつけた。 「これで終わり。柔らかくて伸縮性があるから痛くはないはずだよ」  優しく唇にキスをして、先ほど着ようとしていたYシャツを肩にかけられる。 「正和さん……っ」 「早くしないと遅刻しちゃうよ」 「やだ……やだ……っ」  正和さん、同じ目線になるように少し屈んで、子供をあやすように頭を撫でる。 「制服着ようね。いい子に学校行って来れたらご褒美あげる」 「正和さん……っ」  力無く頭を左右に振るが、そんなのは何の抵抗にもならない。

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