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第100話

「いや、怒ってはないんだけど……変なプレイをさせられそうな気がして」 「あー、ドンマイ」 「ひどい……」 「いや、だってどうしようもねーじゃん! 俺が間に入ったらそれこそ怖い事されんじゃね?」 (いや、拓人の仰る通りです……だけど! だけど! あー、泣きそう)  教室に戻るといつも通り四人でお昼ご飯を食べる。普段は幸せに感じる苺ミルクも、今日はあまり味が感じられなかった。  午後の二科目が終わると、部活に所属していない俺はすぐに帰宅となる。窓から見える校門の先には既に正和さんの車が停まっているのが見えた。悪い意味で心臓がドキドキして、これから何をされるのか考えたら指先が震える。  階段を下りて上履きから靴に履き替え、校舎から校門までの短い距離をトボトボ歩いた。校門の前まで来ると、正和さんは車から降りて助手席のドアを開けてくれる。わざわざそんな事をしてくれるなんて、これから起こる事に嫌な予感しかしない。 「おかえり」 「……ただいま」  車に乗るとドアを閉めてくれて、正和さんも隣にすわった。シートベルトを締めると滑らかな動作で車を運転する。  しばらくすると、ドリンクホルダーから蓋付きの紙コップを手に取り俺に差し出してきた。  「飲んで」 (うわ、早速……) 「純?」  俺が受け取らずに固まっていると、こちらをチラッと見て名を呼んだ。渋々それを受け取って、ストローの先の匂いを嗅いで見る。  だが、ストローからでは匂いは分からなかった。  恐る恐るそれを咥えて中身を吸い上げてみる。それは普通の麦茶の味で、若干苦い気もするが、思っていたより飲みやすかった。 「良い子。帰ったらたくさん抱いてあげるからね」 「っ……」  正和さんの言葉に顔がじわじわ熱くなって、鏡を見なくても赤くなっているのがわかった。家に着くとそのまま正和さんの部屋に連れて行かれる。  鞄をソファに置いて、俺はベッドに行くよう促された。靴下を脱いでそっとベッドに上がり、真ん中にちょこんと座ると緊張で胸がドキドキした。  正和さんもベッドに上がって、俺の頬を優しく撫でながら目を真っ直ぐ見つめてくる。 「愛してるよ、純」  優しく優しく唇を重ねてそっと離した。その行為に、もしかしたらこのまま優しく抱いてもらえるんじゃないか、と淡い期待を抱く。 「さっきの薬、何だと思う?」  そう言われて首を傾げれば、制服のネクタイが解かれ、シャツのボタンを手際よく外される。 「……媚薬じゃ、ないの?」

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