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第108話 (正和視点)

 おかしいな。いつから俺の立場がこんなに弱くなったんだろう。やっぱどこの家も嫁が強いものなのか。 「正和さん」  強めの口調で名を呼ばれ、思わず背筋が伸びた。せっかく仲直りできたのに、こんな事で機嫌を損ねたくない。 「えっと……ごめんね?」  紙袋の中の写真を一通り確認したらしく、たくさんの封筒が床に置いてある。純の自慰行為とかお風呂の写真も見られたとすれば、変態だと思われただろうな、絶対。 「……終わった事はもう良いけど、俺以外にこんな事しないでよね」 「え……あ、もちろん純だけ。他にはしないよ」 (俺以外にしないでって……) 「犯罪なんだからね、捕まったらどうするの?」なんて怒りながら言ってるけど、もう凄い可愛い。たまらなくなって、ギュッと抱きしめる。 「愛してるよ」 「っ……もう! 聞いてるのっ?」 「聞いてるよ。純以外にしないから」 「だから俺にもしないでってば」  本当はお尻を撫でたり、首筋を舐めたい。そしてそのままベッドに行きたい。だけど、純に禁止されてるから代わりに抱き締める腕の力を強めた。  純は「苦しい」と言っているけど、満更でもなさそうなので、しばらくそうする。  触れないのがもどかしい。

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