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第113話 (正和視点)
「けど? ……やっぱ似合わない?」
「いや、似合ってるよ」
(って言うか、可愛過ぎて困る……)
白くて細くて、でも柔らかそうな厭らしい脚。屈 んだら服の合間からお尻が見えそうだし、前も下を向いたら乳首が見えちゃいそう。
いや……、下を向かなくとも身長差のせいで、近くにいるとチラッと見える。
長袖だけど胸元が広くあいたシャツ。男物では珍しいお尻が出るギリギリ丈のショートパンツ。ピタッとしてるせいか、中心部分が強調されいるような感じがする。
単純な俺はそんな露出の多い純にドキドキして半勃ちになり、気を紛らわすように朝食の準備を素早く済ませて席に着く。
すると、いつもなら向かい合って座るのに、純は何故か俺の隣に腰掛けた。
「正和さん」
しかも、俺の名を呼んで太ももに手を置いてくるではないか。
純の熱がそこにじわーっと広がってムラムラしてくる。
「今日仕事なんだよね?」
「……そうだよ。六時頃出ると思う」
「寂しいから隣でもいい?」
(寂しいって……)
上目遣いで聞いてくる純。唇はふっくらしていて美味しそうだし、見上げてくる瞳は誘っているかのように潤んでいて今すぐ押し倒したい。
これはわざとなのか、それとも天然なのか。
どちらにしても、抱きついてきたり触れてきたり、いつもより甘えてくる純に理性が飛びそうだ。柔らかそうな脚を撫でまわして舐めたい。
「だめ?」
「っ、じゃあお皿を――」
純から逃げるように立ち上がり、向かいに置いた皿やコップを隣に並べ直した。
お触りが禁止されて二日目でなければ確実に襲ってる。だが、昨日言い渡されたのに今日そんな事をしたら、今度はしばらく口をきいてくれなくなるんじゃないか。そんな事を思って悶々としながら食べたから、美味しいはずの焼き魚も味なんて感じられなかった。
朝食を食べ終えた後も純の誘惑は続いた。
屈んだり、高い所の物をとったり、座りながら脚を組み替えたり……と、無駄に見せびらかしてるように見えて、頭がクラクラしてくる。
「……書類の準備してくるね」
部屋に戻って一度抜かなければ堪えられそうもない。ソファから立ち上がり、できるだけ平静を装って、仕事を口実にここを離れる旨を伝えると純も立ち上がった。
「じゃあ、俺も」
「え……」
「近くにいたら嫌?」
「っ……」
たぶん今の俺の顔は真っ赤だ。
上目遣いでそんな事を聞かれて、胸元は可愛らしい乳首が見えるし、服の裾を握ってくる手が可愛すぎる。
その可愛い手を引き寄せて、純のことを強く抱き締めた。そうしないと理性が吹っ飛んで、純の体を撫で回してしまいそうだった。
息が荒いせいで純の耳元の髪がふわふわ揺れる。俺の息がかかる度に、ビクビク震わせる体をぐちゃぐちゃに犯したい。
「正和さんっ?」
「……ごめん。近くにいると抑えがきかないから……これ以上は勘弁して」
純の体をそっと離して、逃げるように自室へ行き、ベッドに横になる。
「はぁ……しばらくって」
(……いったい、いつまで)
あとどれくらい我慢したらあの可愛い体に触れるんだろう。
「じゅんー……」
あんな可愛い格好して甘えてくるのに手を出せないなんて泣きたい。
あれから一時間すると落ち着いたので、昼食を作りに部屋を出た。だが、キッチンに入って目にした光景に、思わず胸がドキッとする。
ピンク色の可愛いエプロンをつけて料理をする純の後ろ姿。動く度に揺れて、ショートパンツを穿いた脚が艶めかしく覗く。料理をしてくれてるだけでも嬉しくてドキドキするのに、これは刺激が強すぎる。
「っ……」
(絶対わざとだ……)
疑念が確信に変わる。
さっきは天然なのかとも思ったが、純が進んであのエプロンをつける事はまずないだろう。他にも青や黒のシンプルな物もあるし、フリルのついたピンクの物は普通なら全力で拒否してくるはずだ。
それを今、俺が手を出せないこの状況でつけるという事は、煽って楽しんでいると言う事に違いない。
(……お仕置き確定だな)
わざとだと分かっているのに興奮してしまう下半身の単純さには自分でも呆れるけど。
純からの罰が終わったらどんな仕置きをしようかと悩んでいたら、良いことを思いつく。お仕置きは後で考える事にして、自分の部屋にデジカメを取りに戻った。
せっかく嫌がらずにエプロンやショートパンツをつけてくれているのだ。これは写真に収めるしかないじゃないか。
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