118 / 494

第118話

 胸元ががはだけたパジャマをスルスルと脱がされて、そのままそれで手首を縛られた。抱きかかえられて優しくベッドの中心へ運ばれる。 「それで? 縛られて鞭で叩かれたいんだっけ?」 「いや、その……だからっ」  押し倒されて覆い被さるように正和さんの顔が近づいた。必死で弁解しようと試みるが言葉が上手く出てこない。 「ふふ、隠さなくていいんだよ。そういうプレイがしたいんでしょ?」  耳元で囁かれドクンッと心臓が大きく脈打ち、必然的に男根も大きくなった。正和さんはクックッと喉を鳴らし、昂りをゆっくりと撫で上げる。 「期待しちゃって、やらしい子」  鈴口を引っ掻くように触られて、脚がピンッと強張る。 「それに……俺にあれだけ我慢させておいて純は言い付け破るなんて」 「言い、つけ……?」 「忘れたの? 純は俺の許可なく勝手に触ったり、イッたりしたらダメだって最初に教えたでしょ」  確かに来たばっかりの頃そんな事を言われた気がする。 「ちょっと痛いかもしれないけど、ごめんね」  そう言って俺の男根を押さえながら、リボンをゆっくり外す。そこに、再び革製のベルトのような物をつけられて、射精できないようにされた。 「正和さん……っ」 「我慢しようね」 「でも俺、あれからずっとしてないし……」 「それで?」  まるで俺が駄々をこねているかのような扱いに、瞳にはじわじわと涙が浮かぶ。 「っ、だって正和さんは自分で何度も……!」 「純に触るのダメだって言われたからね。言い付けは守ってたでしょ?」 「っ……」 (そんなのずるい……っ)  しかし、会話をしているのに、俺の中心は勃ったままでおさまる気配はない。むしろ、先ほどよりも大きくなっているのか、苦しくて足を擦り合わせる。早く解放されたい。 「イきたい?」  俺の事を見下ろしてくる厭らしい目つきの正和さんは、妄想のそれと重なった。抵抗をすれば酷い事をされると、この一ヶ月で学んでいるから素直にコクコクと頷く。 「素直だね。可愛いよ」  そう言って俺の頭を撫で、額にキスを落とした。微笑む正和さんを見て安心するが、ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、ニヤリと笑った正和さんは嫌みったらく言う。 「でもどうしようか。俺はお触り禁止されてるんだよね」 「……さわ、って」  顔を赤くして小さな声で伝える。 「お触り禁止は終わりって事で良いの?」  その問いに頷いて正和さんの目を見ると、正和さんはニッコリ笑って顎を掬う。 「じゃあ、今度は純にお仕置きだね」 「え……なんの……」 「お触り禁止なのに俺を煽って楽しんでた事。もう一つは勝手にオナってイこうとした事」  一つ目は……確かに俺が悪いと思う。だが、二つ目は理不尽だ。 「んー、今から後ろ解すけど、解し終わる前にイったら、今日は最後までここを縛ったままにしようか」  そう言って昂りを指先で弾く。

書籍の購入

ともだちにシェアしよう!