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第122話
正和さんは目をスッと細めると薄笑いを浮かべて俺の顎を掬う。
「純は縛ったままイキしたがる淫乱だよね? 女の子みたいに後ろと乳首でイって、精液も出さずに喜んで腰振るなんて……自分でどう思う?」
「っ……」
「次からはちゃんと気持ち込めて言おうね?」
俺は顔を真っ赤にして、恥ずかしさからじわじわ湧き出した涙をポロポロ零した。
子供を諭すような言い方をする正和さんは、声とは対照的に意地悪な顔をしている。
「返事は?」
「は、い……」
正和さんは拘束していた腕のパジャマを解いて、俺のことを座らせる。
「どうぞ」
そう言われると凄いやりにくい。それを分かった上で言っているのか、そうでないのかは知らないが恥ずかしい。
おずおずと中心に手を伸ばし優しく握る。
「あっ、ん……はぁ」
いつも自分でするように上下に扱くと、気持ち良くて羞恥なんてすぐに無くなった。
イったばかりだからか、そこはとても敏感で優しく擦っているだけなのに、ジンジン痺れて足の先から頭の天辺まで蕩けるような快感が伝う。ゾクゾクッと何かが這い上がるような感覚に、脳が痺れているような錯覚を起こし、目の前がふわふわした。
「は、ぁ……あっぁ」
目線をあげると厭らしい顔で見てくる正和さんと目が合って、背筋がゾクッと震える。見られながらの自慰は更に興奮して、追い上げるように速度を上げて擦ったら、耐えられない程の快感が押し寄せる。
気持ち良すぎておかしくなりそうだ。
「は、だめっ、や、あっあぁ」
気持ち良くて、刺激が強過ぎて、目の前が真っ白になり手を止める。びくん、びくん、と体を震わせながら、その感覚に堪えていたら、正和さんに話しかけられた。
「……イったの?」
俯きながらコクリと頷くと、正和さんは俺の頬を撫でて顔を上げさせる。
「ちゃんと言葉で言って」
「……いき、ました」
躊躇ってから、小さな声で呟くように言うと、男根を指でピンッと弾かれる。
「……嘘はいけないなあ」
「っ……!」
「純はまだイってないよね?」
目をスーッと細めて聞いてくる正和さんに、心臓がドキドキして背中には冷や汗が伝う。
「ゆ、許し、許してっ……だって、こんなのむり」
「まさか、イったフリをするなんてね」
意図的にフリをしたわけではない。だが、正和さんに聞かれて、もう解放されたいという思いからつい頷いてしまった。
「ここはもう弄っちゃだめ。後ろと乳首でイってね」
「や、できない……許してくださいっ」
懇願しても聞き入れてくれる様子はなく、俺の指を下へと持って行かれる。
「できないならやめとく?」
冷たい声で言われて首を左右に振ると、溜まった涙が零れてベッドのシーツにシミを作った。
「っ……」
仕方なく、二本の指をそっと蕾に押し当てて、中に入れる。正和さんが丁寧に解してくれたおかげで、痛みは微塵も感じなかった。
「は、ぁ……んん」
正和さんにされるように中を擦ったり、前立腺を刺激したりすると、気持ち良くて腰が揺れる。だが、絶頂を迎える為の刺激からは程遠く、貪るように中を掻き回して、脚は自然とM字に開いた。
「あっぁ、あっ、ん……っ」
空いてる方の手をベッドについて、腰を前に突き出して弄る姿は、正和さんに見せつけているようで、とても淫らだ。
「イケるコツ、知りたい?」
コクコクと頷くと、内ももを優しく撫でられる。その刺激にさえ感じてしまい、ゾクゾクと甘い痺れをもたらした。
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