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第189話
「っ痛……何するんですか!?」
「純くん」
「先輩たちとイイコトしようか」
先程見えた二人が跳び箱の裏から姿を現して、ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべながら猫撫で声でそう言った。
「……じ、冗談はやめてください」
「冗談って何が?」
そう言ってクスクス笑った先輩はブレザーの下にフード付のパーカーを着て、耳にピアスをつけている。もう一人は髪の一部を赤く染めていて、どちらも校則違反だ。
最初に案内してくれて、今俺を押さえつけてる先輩は眼鏡をかけていて、外見だけ見たら凄く真面目そうだった。
「さーて、まずは上履き取っちゃおうね~」
蹴られると痛いから、なんて言いながら赤髪先輩とピアス先輩が左右の室内履きを脱がせる。
「い、嫌です。やめてください!」
「やめる訳ないでしょ。ほら、自分でシャツ脱いでごらん」
眼鏡先輩の言葉に二人もクスクス笑う。先輩を押し返して腕を払いのけようとするも、ピアス先輩に押さえつけられてそのまま床へ押し倒された。後頭部を打って少し痛い。
衝撃にガンガンして痛む頭は一瞬ぼーっとして、その間にシャツのボタンに手をかけられる。
抵抗しても自分より体格の良い男三人がかりでは敵わず、プチプチとボタンを外され上半身はあっという間に裸にされた。
「これなら男でもいけそー」
「乳首ピンクとか女でもなかなかいねーよ」
「体中キスマークつけちゃって……えっろ」
「いや、やめっ、やめろっ!」
胸に伸びてきた手を拒むように先輩の腹部辺りを蹴り上げる。
「おっと……暴れちゃダメだよ」
「イイコにしてねーと」
しかし、足首をつかまれて赤髪先輩に押さえられた。両手首は頭上で一纏めにされ、眼鏡先輩に掴まれてるせいで全く身動きがとれない。
「純くん、始業式に来てた人といっつもエロいことしてんでしょ?」
「ばらしちゃうよ」
「別にそんなの……っ、離して!」
どうせ周囲は知ってる事だ。今更それくらいどうってことない。
「いいの? バレたらあの杉田って人困るんじゃない?」
「高校生相手に手出して、しかも相手は男の子で、捕まってニュースになるだろうねー」
「っ……」
「あー、だから暴れちゃダメだって」
「あーらら、顔真っ青にしちゃって可愛いこと」
「やめ、ろよ……」
触られたくなくて体は必死に抵抗するが、その声は震えて本気の抵抗とは程遠い。
「大人しくしてればチクったりしないよ」
「それにえっちなこと大好きでしょ? ドMだからこんな状況でも感じてるんじゃないの?」
そう言って三人はクスクス笑った。
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