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第190話 (拓人視点)
「ちょっと行ってくる」
そう言って純は教室を出て行った。
今日は通学路にあるコンビニでお弁当を買ってきたから、珍しく購買ではないのだが、購買の手作り感満載なお弁当の方が好きかもしれない。
「なあ、あれやばくない?」
「何が?」
突然の笠原の発言に聞き返す。
「姫のこと狙ってた先輩じゃん」
(は? 狙ってる……?)
「まあ見かけによらず強いし大丈夫じゃん?」
「ははっ、確かに。姫の一撃いってーもん」
お弁当を食べながら呑気に話す勇樹の言葉に賛同する笠原。
「……俺行ってくる」
『え』
きょとんとして固まった二人を置いて、急いで廊下に出ると純と先輩は廊下から階段へ向かう所だった。慌てて階段の方まで行き、気づかれないように後をつける。
階段を下りて体育館の方へと向かう二人。そのまま普段は使われる事のない用具室へと消えた。
(これってもしかして……いや、もしかしなくてもかなりヤバいやつじゃね?)
音を立てないようにそーっと近づき、しゃがんで中の様子を窺う。扉の下の方にあるスリット状の換気口から覗くと、先程の先輩の他に二人いて、何やら純の服を脱がせて押さえ込んでいる。
(っ……!)
俺は内心慌てるが、音を立てないようにそーっと立ち上がりその場を後にした。
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