191 / 494
第191話
(怖い。気持ち悪い。怖い)
俺のせいで正和さんが大変な目にあったら、と思うと怖くて抵抗できない。抵抗した所で体格の違う三人相手に敵うはずもない。これからされる事への恐怖で心臓はバクバクして、体は震えて眩暈がしてくる。
「可愛くなったな」
「このまま大人しくしててね?」
肌を撫で回す手が気持ち悪い。乳首を舐めてくる舌が気持ち悪い。他人の体温が、気持ち悪い。
「っ、……ひっ、っ……ぅ」
(まさかず、さん……)
瞳からは涙がボロボロと零れ落ち、震えた唇からは抑えきれない嗚咽が漏れる。
「……なあ、アレ効くかな?」
「クスリ?」
「そ。飲ませてみようぜ」
ピアス先輩はポケットから小さな袋を取り出すと、それの封を切る。
「しっかり押さえてて」
「はいよー」
「や、やだ……っ」
口の中に指が入ってきて無理やり口を開けさせられる。口元まで持ってきた袋をそのまま傾けられて、中身の粉が口腔に広がった。急いで吐き出そうとするも手で口を覆われて、あっという間に薬は溶けていく。
「そんな暴れんなって」
「ちょっと気持ち良くなっちゃうだけで、怖い薬じゃないから安心しな」
「怖いくらい気持ち良いかもねー」
クスクス笑ってベルトに手をかけられる。カチャカチャと音を立ててそれは外され、ズボンを下着ごとおろされた。
脹ら脛を掴まれ、足をお腹側に倒されてお尻が少し浮く。
「うわー、ほんとにドMちゃんなんだ」
「んー?」
「尻に叩かれた痕がある」
「へえ、痛くされんの好きなんだ?」
「ほーら、気持ち良くしてやるよ」
恐怖と気持ち悪さで縮みきった自身を握られて、体がびくりと揺れる。言動や行為に反した優しい触れ方に不快感が増した。背筋がぞくりと震えて冷や汗をかきはじめる。
体が熱い。頭がぼーっとする。
自身を優しく転がすように撫でられて、気持ち悪くてやめて欲しいのに、意に反して昂り始める。
「っん、ふ……っ」
唇を噛み締めて声を抑える。こんなやつらに触られて声なんて出したくない。生理現象とはいえ、感じてしまう自分が嫌だ。
気持ち悪いのに。正和さん以外に触られたくないのに。
薬の効果もあるのかどんどん昂っていくそこ。
(あっ、はぁ……やだ、イきたくない)
「可愛い声聞かせな」
「っ……」
噛んでいた唇をこじ開けられて、中に指が入ってくると、二本の指が口腔を蹂躙し舌を捕らえた。
「はっ、ん……ん」
気持ち悪いはずなのに、イきたい。
鈴口をクリクリされると電気が走ったみたいに痺れる。
出したい。でも出したくない。
気持ち悪かっただけの胸への刺激にも反応し、体の熱はどんどん上がっていく。押さえつけられて抵抗もできず、体は快楽に溶かされて、先輩達にされるがままになった。
正和さんに対する罪悪感に心が悲鳴をあげる。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!