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第200話

「されたこと、全部教えて?」  優しく俺の手を握って、優しい声音で聞いてくる。目元に優しく口づけられて、つかえてたものが溢れ出すように再び涙が零れた。 「っ……体育委員、だからって、呼び出されて……」 「うん」  優しく相槌を打ちながら聞いてくれる正和さんに、あったことを全て話した。  相手が三人だった事。正和さんとの関係をチクると脅された事。薬を飲まされた事。触られた場所。後ろに入れられたくなくて自主的にフェラした事。入れられそうになった事。拓人のおかげで助かった事。先輩達は無期停学になったという事。  もう消えているが、いつの間にか付けられたキスマークの事もちゃんと話した。 「三週間前の月曜って純が体調悪いって言ってた日だよね」  コクリと頷くと、彼は大きな溜め息をついた。 「その時言ってくれれば、俺だってこんな風にならなかったよ。隠されて嘘つかれたら、純の言ってる事も言い訳にしか聞こえなかった」 「っ……」 「ごめんね。……その後は何もされてない?」 「やっ……!」  伸びてきた手をつい、パシンッと叩いてしまい青ざめる。 「あ、違っ……ごめんなさい」 「純……」 「ゆる、許して……」  震える体をぎゅっと優しく抱き締められる。 「大丈夫だよ、純。大丈夫。怖かったよね」 「うっ、ぅ、許し、て……ごめんなさい、ひっく、ごめんなさい」  彼の胸に顔を埋めるように抱き寄せられて、背中を優しくさすられた。 「落ち着いて。怒ってたのは、隠してた事と嘘ついたことだけだよ。大丈夫だから、落ち着いて。……気づいてあげられなくてごめんね」 「っ、く、……ひっく、うぅ」 「……守ってあげられなくて、ごめんね」  彼に宥められてしばらくすると落ち着いてくるが、正和さんは少し難しい顔をしている。 「……俺に触られるのも嫌?」 「嫌じゃ、ない」  首を小さく左右に振る。少し怖いが嫌ではない。  正和さんはそんな不安を見透かしたように、そっと唇を重ねてくる。 「ん、ふ……んん」  久々の唇へのキスに胸がドキドキして息が上がる。全部話して後ろめたさがなくなり、気が楽になったせいか、素直に彼を受け入れられた。 「どんな風に触られた?」  シュルッとネクタイを解かれて、セーターのボタン、ワイシャツのボタンもプチプチと外されていく。  目の前にいるのは正和さんのはずなのに、何故かこの前の先輩の姿がチラついた。僅かな恐怖心をかき消すようにベッドシーツをぎゅっと握る。 「ここは? 手で触られただけ?」  優しく確かめるように聞きながら胸を撫で回した後、乳首をクニクニと弄る。 「ゆ、指と、舌で……」  正和さんの舌が胸の上をゆっくりと這う。乳首をチロチロと舐められて、もう片方は指で弄られた。 「ぁっ、や、やだ……っ」 (怖い)  正和さんにされているのに、あの時の感触を思い出して気持ち悪い。恐怖からか心臓はバクバクして、体は震えて眩暈がしてくる。

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