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第218話

「なに、して……」 「わからない? 可愛い純にトッピングしてるの」  いやいやいや、意味が分からない。クリームってそんな風に使うものじゃないし。  楽しそうに俺の体に『トッピング』をしている正和さん。冷蔵庫にあった大量のホイップクリームがこんな形で使われるなんて思わなかった。 「純くん熱望のプレイを叶えてあげようと思って」 「別にそんなプレイしたくなんて……!」  真っ赤に染まった俺の顔を見てクスリと笑う。 「恥ずかしがらなくていいよ。たまには純の要望も聞いてあげないとね」 (熱望って……)  確かに少し興味があってそんな動画を見た覚えはあるけれど、自分がしたいとまでは思ってない。彼があまりにも意地悪な事ばかりするから普通の恋人同士のような甘い関係が少しばかり羨ましいと思っただけだ。 「今日は『優しく』抱いてあげる」  正和さんはニヤリと笑って、俺の言葉を反芻するように『優しく』を強調して言う。その意地悪げな表情からは、言葉通りの意味として素直に受け取る事はできない。  胸に飾り付けられたクリームをペロリと舐められると、舌先が僅かに乳首を掠めて体がピクリと跳ねた。そんな反応を楽しそうに笑い、今度は丁寧に舐め始める。 「はぁ……ん」  クリームを拭うように残さず綺麗に、ねっとり舐め上げられれば、体は火照り赤味を帯びる。いつもと違って味わうように舐めてくる、ゆったりとした動きがもどかしい。  正和さんの唇からチロチロ覗く赤い舌に、なんだか恥ずかしくなってきて、顔が熱くなった。  優しい刺激に物足りなさを感じて、膝を擦り合わせる。反対側も同じように時間をかけて舐められれば、理性なんてほとんど残らなかった。  もっとして欲しい。  明確な刺激が欲しくてたまらないと訴える体を弄ぶように撫でられる。 「正和、さん……っ」  クスリと笑って重ねてくる唇は、クリームのせいかほんのり甘い。舌先から溶けていくような感覚に、全身がじんじんと痺れ、いつもと違って丁寧な口付けは気持ちを高ぶらせた。  呼吸が乱れ、力の入らなくなった顔で、濡れた瞳で見上げると彼はニタリと笑う。 「はぁ……」  昂る中心の先端をクリームで弄ばれて、脚がピンと強張った。ピクピク震えるそこに飾り付けられたクリームは冷たいし、変な感じがする。  正和さんは太もも優しく掴むと、開脚させてきた。脚の間から見えた厭らしい彼の顔に背筋がぞくりと震える。 「可愛い」 「やっ、そ、なとこ……んんっ」  制止の言葉は聞き入れられず、蕾に舌を差し入れられて、思わず鼻から抜けるようなくぐもった声が出る。指とは違う温かく滑る感触に、腰がぞくぞくと震え、部屋には甘い声が響いた。  ぴちゃぴちゃと音をたてて舐められれば、羞恥心と共に快感も増していく。

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