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第219話
「はぁ、ん……あっ、あっ」
気持ち良くて強請るように腰を揺らすと、彼はそこから顔を離した。
「あーあ。駄目じゃない、動いちゃ。零れちゃったよ」
「そんなこと、言われても……っ」
昂った中心に飾り付けられたクリームがベッドのシーツに落ちてしまい咎められた。しかし、体温で溶けてきてしまっている為、零れてしまうのは致し方ない。
「ベタベタになっちゃったよ」
「……ごめん、なさい」
非難するように言う正和さんから視線を逸らして、ポツリと謝り唇を噛み締める。
何かしら、お仕置きという名目で罰を与えられるのだろうと覚悟したが、彼はふっと笑みを零し、指で優しく俺の唇をなぞった。
「素直だね、可愛い」
唇から手を離し、太ももに流れたクリームを指で掬うと、再び俺の口元に指を運ぶ。
「舐めて」
差し出された指を受け入れるように唇を開くと彼の指先が僅かに侵入してくる。それを咥えるように顎を少し突き出して舌先を伸ばす。
「んっ、ん……はぁ、ん」
厭らしい水音をたてながら夢中で舌を絡ませると、口腔はクリームの甘さで満たされた。人差し指、中指と丁寧に舐めて、指先を甘噛みすると彼は僅かに息を詰める。
「っ……もういいよ」
口元から離れていく指を名残惜しく目で追いながら、唾液で濡れた唇を軽く舐める。
彼の指が厭らしくテカり、その手が下方に伸ばされると、蕾に優しく触れてきた。反対の手で脚のあわいを擽るように撫でられて、僅かに身動げば彼は楽しそうに目を細める。
ツプンッと侵入してきた指は、内壁を探るようにゆっくりと撫で回すが、優し過ぎる刺激はもどかしい。
「んっ、あぁっ……っ」
二本目の指を入れて、それぞれをバラバラに動かされると不思議な感覚で上擦った声が漏れた。指を曲げたり、ぐるりと回転させたり、イイトコロを知り尽くしてる彼の愛撫は気持ち良い。
しかし、絶頂を迎えるような刺激からは程遠く、自然と腰をくねらせて強請るように揺れる。
「は、ぁ……ん」
いつもなら前戯にこんなに時間をかけたりしないのに、今日の正和さんはどういう訳かゆっくりと後ろを解している。
「やだ……いじわる、しないで」
「心外だなあ……意地悪なんてしたつもりないけど?」
「やさしく、して」
「優しくしてるでしょう」
優しくと言われればそうなのかもしれない。
物足りなくて焦らされているように感じるのは、強い刺激に慣れてしまったせいなのか。
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