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第231話
再び四つん這いになって、振り下ろされる鞭に耐える。回数があと少しだからか、先程よりもいくらか気が楽だった。
「はっ、ぁ……よん、じゅうくっ」
もう終わる、と目をぎゅっと瞑ると、最後は一際痛い鞭が振り下ろされて背を仰け反らせた。
「あぁぁっ……っ、ごじゅう」
力を抜いて床にべったり体を預けると、お尻をそっと撫でられる。ヒリヒリして痛いからきっと傷になっているんだろう。たくさん叩かれたせいか体が熱く、息も上がっていた。
正和さんは俺のことを優しく抱き起こして微笑む。久々に感じる彼の胸はとても温かくて、安心した。じわりと涙が込み上げれば、頭をよしよしと撫でられて、そのまま運ばれベッドに下ろされる。
「じゃあ、次は嘘つかないように素直になる練習でもしようか」
「え……?」
何をするのか疑問に思っていると、乳首をキュッと摘ままれる。
「あぁん……はぁ」
思わず出た甘い声に自分でも驚く。叩かれて敏感になっているせいか、いつも以上に感じる。
「薬効いてるみたいだね」
「くす、り?」
「さっき飲んだでしょ」
そう言われて思い返すがお茶を飲んだ記憶しかない。
(あ、お茶に……)
薬を飲まされた事に不安を覚えるが、敏感なのが叩かれたせいではないと知り安堵した。
彼は乳首の周りを円を描くように指先でなぞり、ふーっと息を吹きかける。
「はぁ、んん……っ」
「気持ちいい?」
指先でコリコリと転がし、ピンッと弾かれて首を左右に振る。
「あぁ、や……あっぁ」
「嫌じゃなくて、イイでしょ。嘘つくの?」
そんなつもりはない、と首を振ろうとすれば乳首をギュッと抓られて、高い声を上げる。
「あぁん、んっ」
薬のせいなのか、痛いはずなのに感じてしまって頭がおかしくなりそうだ。
「抓られるの気持ちいいんだ?」
「違っ、あっはぁん……だめ、やめ、て」
「違わないでしょ」
今度は反対側の乳首をグリグリ抓る。
「ほら、嘘つかないで素直になる練習。どこがどうなのかちゃんと全部言おうね」
「はぁ……はぁ……っ」
「乳首抓られて痛くされるの気持ちいいです、は?」
「っ……」
「じゅーん」
正和さん、は顔を真っ赤に染めて固まっている俺に「できるよね?」と呼びかける。
「あぁっ、やだ、言う、言うからっ」
再び乳首に爪を立てられて、背を仰け反らせ泣きながら叫ぶ。彼は赤くなったそこをクニクニと弄り、目をスーッと細めた。
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