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第232話
「乳首、つねられて……痛いの気持ちいいです……っ」
「どう気持ちいいの? 詳しく言って」
「わかんな……あっぁぁ、っ」
「んー? ほら、どうなの? 言ってごらん」
「やっぁ、じんじん、して……っ、中がキュンってなるっ」
そう言うと抓るのをやめて、今度は優しく撫で回す。
「中って?」
「っ……お尻の、奥」
「ふーん。後ろも触って欲しい?」
「べ、べつに……」
「そう? じゃあ今日は胸だけね」
「へ……?」
ニヤリと笑って言う正和さんに思わず、間の抜けた声が出る。彼は一度ベッドを降りると、手の平サイズの小瓶を持ってきた。
中身の液体を綿球に含ませて、乳首に塗り始める。
「はぁ、やだ、何」
彼の行動を止めようと手を伸ばすと、その手を掴まれて、今塗ったばかりのそこに息を吹きかける。
「は、ぁ……っ」
「純はちょっとお馬鹿さんだからね、口で何回言っても少しするとすぐ約束破るでしょ?」
「そんな、ことっ」
「だからこういうのは体に覚えさせないと」
乳首に塗り終わると細長い綿棒を取り出し、それにも液体を含ませる。それをどこに塗るのかなんとなく察しがついてしまって、首を左右に振った。
「許して……もう絶対しない、嘘つかないから、許してください……っ」
震える声で許しを請えば、彼は目を細めてご機嫌に微笑む。
「大丈夫、もう怒ってないよ。だから最後まで練習につきあってあげる」
胸を弄られて勃ってしまった俺の自身を握るとその先端に先程の綿棒をあてる。
「やだっ、や、あぁぁぁ」
制止の声は聞き入れられず、グチュリと綿棒を押し進めてくる。悲鳴に近い声を上げて、口をパクパクさせる俺を見て、彼は楽しそうに口角をあげた。
「どんな感じ?」
「は、ぁっ……いた、い」
「痛いだけ?」
そう言って奥まで押し込んだ綿棒を引く。
「やぁ、変……! なんか、出るっ……あぁっ」
「いいよ、出しても」
出せるならね、とクスクス笑って再び押し込んだ。ギリギリまで抜いて押し込むのを何度か繰り返した後、綿棒をくるりと回転させる。
「あぁっ、まさっ、まさかずさっ……」
「んー?」
彼はとぼけたような声を出し、綿棒をゆっくり引き抜いた。出て行く時の感覚に身震いして、甘い声をあげる。
「純~。自分で乳首弄る? それとも俺に触って欲しい?」
どっちも嫌だ。ふるふると首を横に振ると、彼は楽しそうに口角を上げた。
「決めないの? ……じゃあ俺がしてあげるね」
そう言って彼は手枷を取り出す。それを見て涙がじわじわと込み上げる。彼の目を見て首を僅かに振るが、それは何の効力も為さず、左右それぞれの手首に手枷をつけられベッドに括られた。
「今日はイきたかったらイっても良いよ」
そうは言ったが、ニヤリと笑った彼にイかせる気がないのが分かる。
「正和さん……ごめん、なさい……」
「何で謝るの?」
彼は楽しそうに笑い、触れるか触れないかくらいの優しい手つきで乳首を撫でる。
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