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第233話

 先程塗られた変な薬のせいか、そこはムズ痒く熱かった。 「ぁっ、ぁ……っ」  もっとちゃんと触ってほしい。彼の指に押し当てるように胸を突き出せば、彼の指も離れていく。さわさわと優しく触れてくる指に自身はガチガチに張り詰めた。  先程綿棒を入れられた所も次第に熱くムズムズしてくる。 「はぁ、はぁっ……っ」  優しく撫でられ、時折ピンッと弾くように弄られて、胸の尖端はぷっくり腫れてきた。指で捏ね回されれば、下半身に熱が溜まり、出したい衝動に駆られる。 「まさ、かずさん……やだ、あぁっ」  グリッと乳首を抓られて、声をあげる。 「嫌?」  違うでしょ、とでも言うように聞いてくる彼に身を竦ませた。 「違っ……気持ち、い、からっ……さわ、て」  前も触ってほしくてたまらない。綿棒を入れられた所がムズムズする。何かで中をぐちゃぐちゃにされたい。 「触ってるよ?」 「した、も」 「んー、どんな風に?」 「擦って、はぁ……ぐりぐり、して」  刺激して欲しくて、荒い息をもらしながら、厭らしく腰を捩って強請る。 「どこを何で? ちゃんと全部言ってって言ったよね」 「まさ、かずさっ……ゆるして、はぁ、も、おかしくなる……っ」 「……言わないならそのままだよ。今日はちゃんと言えるようになる練習なんだから」  正和さんは乳首からも手を離し、ベッドを降りて離れていく。 「待っ……や、言う、からっ」 「じゃあ言って?」  少し離れたソファに座った彼は目をスーッと細めた。 「ちゃんと言えたら触ってあげる」 「っ……はぁ、ぁ」 (何て言えば良いんだ……)  体が熱く、呼吸が乱れる。少し身動いだだけで甘ったるい声が出るし、変な薬を塗られた所はムズ痒くて、擦って欲しくてたまらない。 「じゅーん。考える必要ないよ」  一瞬正和さんがいた事を忘れていたが、彼の声で現実に呼び戻された。 「感じてること、思ってること、そのまま言ってごらん」 『今、純の体どうなってる?』  彼の声が頭に響く。 「あつ、い……」 「それから?」 「くすり、ぬったとこ、はぁ……ムズムズして、苦し……っ」  刺激を求めて火照った体。じっとしていられなくて、もじもじと腰をくねらせば、鞭で叩かれたお尻がヒリヒリとした。 「あっぁ……っ」 「痛いの気持ちいいの?」 「い、い……ぁっ、痛いの、きもちぃ」  彼はクスクス笑ってソファに置きっぱなしだった鞭を手にとる。 「可愛いね。じゃあ、また打ってあげようか」 「ヤ、それ、やだ……っ、痛い、だけ」 「さっきはお仕置きだったからね。前やった時、良かったでしょ?」 (前……)  プレイでやった時の事を思い出して、コクリと喉を鳴らした。下半身にズキズキと熱が集まる。 「どうして欲しい?」  正和さんはニヤリと笑って、楽しそうに鞭を持つと、それをピンッと張った。 「っ……はぁ」  鞭はダメだ、と心のどこかで拒絶する。だが、前にやった全身に響くような気持ち良さを体は覚えていて。 「じゅーん」 『どうされたい?』  いつの間にか近くに来ていた彼の声がダイレクトに頭の中に響いた。ゾクゾクッとして脳が痺れるような錯覚を起こす。

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