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第235話
「ちゃんと素直に言う練習って言ったよね」
「あぁっ、っ」
グリっと自身の先端を刺激されて、目の前がチカチカする。
「ああ、そっか。痛くしても気持ちいいだけか」
彼は小さな声で呟いて、ベッドの下の箱から何かを取り出す。
「じゅーん。これ飲んで」
えらく甘い声音で口元に近づけてくるのは怪しげな小瓶。首をふるふると左右に振れば、彼の目は冷ややかなものへと変わる。
「……飲めないの?」
怖くなって、体をピクリと揺らし、震える声で答える。
「の、む……けど、寝たままじゃ」
「ふふ、少しずつ飲ませてあげる。零さず飲んでね。ほら、口開けて」
彼の指示に逆らえなくて口を開けると、傾けられた小瓶から液体が垂らされる。少しずつ、と言った割に結構早いペースで流し込まれ、咽せそうになりながら一生懸命飲んだ。
「純ってご飯食べた?」
唐突な質問に固まる。
「え……今日は、まだ……」
「朝から食べてないの?」
驚いた顔をする彼に頷くと、彼はニコリと笑った。嫌な予感しかしない。
「ごめんね、ご飯用意してあげなくて。夜は作ってくれたんだっけ?」
「う、うん……っ、はぁ」
「じゃあ、ご飯にしようか。さっきはいらないなんて言ってごめんね。作ってくれてありがとう」
優しく頭を撫でてくるが、先ほどの薬は即効性があるのか、体がじわじわ熱くなって、下腹部に熱が溜まる。
「っ……はぁ、も、くるし……」
「うん、お腹空いてつらいよね」
「そ、じゃなくて……はぁ、からだ、熱い」
正和さんは俺の言葉に耳を傾ける気はないらしく、手枷を外して先ほど脱いだ下着とパジャマを着せてきた。手を握られて歩き出すと、服が擦れるだけでビクビクと震え、足がガクガクする。
彼はリビングまでくると俺を椅子に座らせて、途中まで準備しておいた夕飯を作って、テーブルに並べてくれた。
「行儀悪いよ、純」
「っ、はぁ、ん」
体がゾクゾクして震える。テーブルに手をつき、背中を丸めて耐える俺の事はお構いなしに食事を始めた正和さんが、俺を注意した。
こんな状況で食べれるわけないのに。そんな事、彼だって分かっているだろうに、真面目な顔で俺を叱る。
「もしかして、朝も昼も食べてないから調子悪い?」
なんて、心配そうな顔して的外れな事まで聞いてくる。
「違、う……だめ、ゆるして」
「何を?」
とぼけた顔して聞いてくる正和さんの声が遠い。込み上げる快感と欲望に思考が蕩ける。苦しい。
乳首を触って欲しい。ちんちんの中を何かでぐちゃぐちゃに犯されたい。正和さんとエッチしたい。何も考えられないくらいに壊されたい。
「えっち、して」
「っ……食事中に変なこと言わないの」
「お願っ……すなおに、言う、から……っ」
「だめ。ご飯食べないならしない」
(おかしく、なりそう……)
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