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第237話
「ぁ、ぅ……もう、苦しっ、ゆるして」
それぞれの手で自分の肘を掴み、体を抱き締めるようにぎゅっとする。
薬を塗られた所が痒い。体中が敏感で、ご飯を食べようと腕を動かすだけで、服が擦れてイきそう。唇や上顎にご飯が触れると、頭にまで電気が走ったみたいにビリリとして、先走りで下着を濡らした。
「残すんだ? もったいないね」
「ぅっ、はぁ……っ、正和、さっ、ごめ、なさい」
「食べさせてあげようか」
そう言って、食べ終えた彼は立ち上がり、俺の近くへ来る。
「そん、な……っ」
「なーんて、冗談だよ。……何で嫌って言わないの、可愛すぎ」
彼が何か言った気がするが、頭がぼーっとしてよく聞き取れない。
「八割は食べたかな? 頑張ったね」
頭をよしよしと撫でられるが、それさえ性的快感に繋がった。
「はぁ、んんっ」
「おいで」
正和さんに抱き上げられて、再び彼の部屋に連れて行かれる。体中が擦れてゾクゾクする。
(だめだ、気持ちいい……)
「あっぁ、いく、イっちゃ……っ」
しがみつくように正和さんの耳元に顔を寄せれば、彼は苦笑を漏らした。下着に精を吐き出して体を震わすと、ベッドへ下ろされて、刺激を与えないように丁寧に服を脱がされる。
「乳首赤くなってる」
「はぁ……さわ、て……」
「どうやって?」
「ゆび、でっ……ぐりぐりしてっ、あっぁん」
「気持ち良い?」
「ぁ、ぅ……い、い……っ、んんっ」
右側を指で、左側を舌で刺激され、背が仰け反る。気持ち良すぎておかしくなりそうなのに、全然足りない。体中が刺激を求めて疼く。
「あっぁ……した、も」
「下?」
「ふ、ぁっ、ちんちん、じんじんする」
正和さんは空いてる方の手で俺の昂ったものを握り、親指で先端を刺激する。しかし、薬を塗られた中がムズムズして、そんな刺激じゃ物足りない。
「も、やだぁ、苦し……っ、たすけ、て」
「んー、どうして欲しい?」
そう聞いてくる声音がとても優しくて、変になりそうだ。だが、どうして欲しいか聞かれても、場所が場所だけにどうしたら良いのかわからない。
「あっぁっ、わかんな……うぅっ」
ボロボロと涙を零して頭を振る。
「なか、おかしいっ……うぅっ」
「……これでかき回してあげようか?」
そう言って見せてきたのは、以前使われた事のある尿道バイブ。
気持ち良くなりたい。
コクコクと頷くと、それを先端に押し当てて、ゆっくりと侵入させてくる。中が擦られて気持ちいい。もっと擦って欲しい。
「あぁぁん、あっ、ぁっ、あぁっ」
スイッチを入れられて中で振動し、何度もゆっくり抜き差しされて、目の前が真っ白になる。
止めて欲しい。もっとして欲しい。
どちらの欲求も同じくらい高まり、意識を失いそうになる。少しして振動を止められると、物足りなさを感じて身を捩った。
「はぁっ、まさかずさんのっ、いれて」
「なーに?」
彼は聞きながら、自身の先端に刺さったままのものをゆっくり動かす。
「んんっ、おしり、に……正和、さんの、入れてっ」
「純のお尻に何を入れるの? ちゃんと言って」
「はぁっ、じゅんの、お尻のなか……正和さっ、の、おっきい、おちんちんで、ぐちゃぐちゃにして」
「……いいよ」
正和さんはクスッと笑って服を脱ぐと、屹立したものにローションを馴染ませる。
蕾にぴたりと彼の熱いものが当てられて、ヒクリと喉を鳴らすと、招き入れるようにヒクヒクと収縮するそこに一気に侵入してきた。
気持ち良すぎて、なんだかもうよくわからない。体も頭の中もぐちゃぐちゃに蕩けて、意識はほとんどなかった。
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