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第251話 (正和視点)
純が可愛い。可愛すぎてやばい。
俺との温泉旅行が楽しみらしく、昨夜からそわそわして着ていく服なんかを選んでいた純。
今日も朝から『お外、天気良いよ』なんてニコニコしながら教えてくれて。朝ご飯を食べた後、髪の毛まで軽くセットしていたのには、思わず笑いそうになるのを堪えるのが大変だった。
可愛くて可愛くて堪らない。
いつもよりかっこいいね、なんて褒めてやれば、照れたのか顔を赤くして素っ気なく返される。そんなとこも可愛くて『でもやっぱり可愛い』と抱き締めたら顔を真っ赤にしていた。
俺からしたら近場の温泉なんて、ちょっとした息抜き程度でしかないのに、こうも喜んでくれるとこちらまで嬉しくなってくる。
春休みの海外旅行もこんな風に喜んでくれるかなあ、なんて思ったらとても楽しみになってきた。
助手席でシートベルトを引っ張ったり離したりと落ち着かない様子の純。本当可愛い。
「純、ちょっと動かないでね」
「え……?」
勧められてなんとなく買ったこの車。左ハンドルだから高速乗る時なんかがちょっと見づらい。普段も右折する時とか前に右折の車いると見づらいし、駐車券とる時も一人だと降りなきゃならない。日本は右ハンドルである事を前提に色々と作られてるから結構不便だ。
「ごめんね。動かれるとそっち側見づらいからさ。もう良いよ」
「あ、そっか」
別に見栄を張りたい訳でもないし、乗りやすくて安全なら何でも良いのだが、特に車に興味がなかったので勧められるがまま買ってしまったのが失敗だ。
こういうのを国内で乗る場合、運転手に運転させるべきであって、自分で運転して乗るような車ではないなとつくづく思う。まあ、でも純が気に入ってくれてるしこれはこれで良いのかな、なんて。
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