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第277話

 俺の首筋に手を置いて親指で頬を撫でながら、目をじっと見つめてくる。体への愛撫が止み、頭が少し現実へと戻された今、とても恥ずかしい。  彼の鋭い視線が、心の内側まで侵入してくるような、そんな感覚に僅かに身震いした。思考まで全部見透かされているようで、ドキドキして体が火照る。 「はぁ……はぁ……っ」 「息荒いね。見られて感じるんだ?」 「……っ」 「ほら、言わないの? 純はどうして欲しいんだっけ」  そう言って、頬を撫でる手とは反対の手で乳首を掠めた。触れるか触れないかギリギリの触り方に焦れて体が震え、熱い吐息を零す。 「はぁ……やらしい俺を、もっと見て、くださぃ、っ……ちくびで、イかせてください」 「純っていつから、こんなやらしくて変態な子になっちゃったんだろうね」 「ちが、う……おれは……っ」 「違わない。俺に見られて乳首でイきたいんでしょ?」  そう言って乳首をグリグリ刺激した。 「あっ、だって、それは……まさかず、さんが……あぁっ」 「強要はしてないよ」  目を細めて俺の事を見下ろし、乳輪をくるくると撫でられて、下腹部がゾクリと震えた。何度も嬲るように乳首を擦って引っ張る。 「はっ、あぁっ、んっ」  正和さんの指が乳首を刺激すると、ビクビクと体が揺れて、その度に手足を繋ぐ縄がギシギシと音をたてた。自分で触れる事もできず、焦らされ続けた体は火照って熱い。 「おね、がい……も、イかせて……っ、言う通り、だからっ」  絶頂を迎えるには程遠い微弱な刺激。下腹部に溜まる熱を吐き出したくて身動ぐ。頭がぼうっとしてきて、瞳はじわりと潤んだ。 「見られて、ちくびで……イきたいから、はぁ、きもちく、して」  何でも良いからもうイきたい。体が熱くて熱くておかしくなりそう。 「俺の、こと……もっと、やらしくして……っ」 「っ……」  正和さんは一瞬息を詰め、クスリと笑った。 「いいよ」  ちゅうっと吸い付いて舌先で扱くように刺激する。反対側は指で捏ね回し、時折、爪で引っ掻くようにされれば体がビクッと揺れた。 「あっぁ、は、ぅ……んん」  舌が這う温かくて柔らかい感触。張り付いたようにねっとりと舐められて腰がゾクゾクと震える。 「ん、んっ、あぁっ」  不規則な動きをする舌と指に翻弄されて、思考が蕩ける。白い肌はほんのり赤みを帯びて、しっとりと汗ばんだ。

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