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第279話

「あっ、ぁ、んっはぁ」  グチュグチュ、と中を犯され、抜け出ていくときの引っ掛かりが気持ちいい。イイトコロを抉るように入れられればゾクゾクッと体に熱が溜まる。  正和さんの大きいもので奥を突かれると、目の前がチカチカして何も考えられなくなった。 「あっ、あ……だめっ、いく、イっちゃう……あぁっ」  体を強張らせて二度目の精を放つが、彼は変わらず犯し続ける。 「やっ、だめ……いって、るから、も……あっぁ、あぁあぁん」 「っ、俺はまだ、だけど? っ、はぁ」  彼の荒くなった呼吸を聞きながら、再び押し寄せる快感の波に飲まれる。 「あっぁ、なんか……っ、だめ、ほん、と、に……ん゛~~!」  追い上げるように速度を上げて、力強く奥を突かれる。ビシャァ、と透明の液が勢いよく出て、僅かに顔にかかった。  中が厭らしくうねって、正和さんの精を搾り取るようにドクンドクンと飲み込む。恍惚とした表情で余韻に浸っていた俺は、敏感になっているのか、腰を撫でられて体を大袈裟に揺らした。 「一度も触らなかったのに潮まで吹いたね」 「っ……」  顔がカアァァと赤く染まって、何故か目の奥が熱くなる。 「……純?」 「っ、……ぅ」 「どうした? ……泣かないで」   少し慌てた様子で優しくそう言って、抱きしめてくる。なんだかよくわからない感情が込み上げて、見開いた瞳からボロボロと涙が零れた。 「おれ……、おれ……」 「……ごめんね、怖かった?」 「わかん、ない……」  小さな声で呟くように答えると、彼はクスッと笑って、宥めるように背中を撫でる。 「触らなかったのがショックだった?」 「……俺の体、おかしい」  乳首だけはまだ辛いけど、後ろだけでも凄く気持ち良かった。このままどんどん変になったらどうしよう、なんて少し不安になる。 「でも凄く可愛かったよ」  なんて、囁いて指で優しく涙を拭ってくれた。唇に啄むようなキスを何度も落とされて涙が止まる。 「……もっとやらしくなっても良いよ?」  ニヤニヤしながらそう言う正和さん。 「……なる訳ないし」  フイ、とそっぽ向くと優しく抱き締めたまま頭を撫でてくる。先程のよくわからない感情はいつの間にか消えていた。 「どんな純も大好きだよ」  彼はそう言って額にキスを落とし、繋がったままだった正和さんのものをズルリと引き抜いた。 お尻から彼の精液が流れ出るのがわかる。生暖かくてヌルヌルとする感触は、何度経験しても慣れない。 「純……俺の許可なく触ったりイったりしたらだめだって言ったの覚えてる?」  唐突の問いに不思議に思いながらもコクリと頷く。  そのせいで、正和さんに悪戯されたときなど、自慰ができず辛いのだ。勝手に触ろうものならお仕置きされるし、忘れるはずがない。 「あれさ、もういいよ」 「え……?」  もういい、とは、どういう意味なのだろう。正和さんの顔を見上げると彼はにっこり笑う。 「好きに触って良いし、イっても良いって言ったの」 「……なんで?」  急にそんな事を言うなんて、何か裏があるんじゃないかと勘ぐってしまう。 「んー、同棲して三ヶ月ちょっと経つし? そろそろ良いかなって」  ますます意味が分からない。 「……まあ、突然今日はイっちゃダメって言われた方が期待した分、興奮するでしょ?」  ニヤッと笑って言う彼から目を逸らす。 (……やっぱり変態だ)  それだと結局、前とあまり変わらないような気がする。

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