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第285話

 担がれて、ベッドに運ばれおろされる。 (週四……)  四回と言っても正和さんの場合、一回で何度もするから激しいプレイをされたら身が持たない。 「積極的って言っても……わかんないし」 「俺が教えてあげる」 「……ほんとに、優しくしてくれる?」 「んー、まあ日によるけど努力はするよ」  押し倒されて鼻先が触れ合いそうな距離でじっと見つめられる。 「良いでしょ?」  躊躇ってコクリと小さく頷くと正和さんは嬉しそうに顔を綻ばせた。 「そんな可愛い顔されるといじめたくなっちゃうなあ」 「そんな……っ」  眉尻を下げた俺の額にチュッとキスを落とす。今日は優しくするよ、と囁いて啄むような口付けを何度もし、舌がスッと入ってくる。『キスってこんなに気持ちよかったっけ?』と考えてしまうほど、蕩けるような優しいキス。丁寧な口付けに体の力が抜ける。 「んっ、はぁ」  ベルトを外され、制服のズボンと下着が下ろされる。だが、ネクタイを解こうとした手は、そっと掴まれて止められた。 「待って。上はそのまま」 「え……?」  不思議に思いつつ手を下ろすと、彼は唾液で湿らせた指を蕾に侵入させる。 「んっ、ぁ……なんで?」  いつもなら上も脱ぐのに何故今日はそのままなのか。変な事をさせられるんじゃないかとビクビクする。 「あっぁ……ん、正和、さん?」 「……制服姿って、凄い興奮する」 (……馬鹿じゃん。それでいじめられずに済むなら、いくらでも着るし) 「あっ、ん、はぁ」 「ここ、気持ちい?」 「はっ、ぁ……いい、きもちいい、っ」  優しく丁寧な愛撫に目の前がふわふわする。後ろを解したあとは正常位で繋がり、珍しく最後まで優しく抱いてくれた。 * * * 「今日ちょっと遅くなるかも」 「え……」  今日は土曜日。もう少しすると正和さんは仕事へ、入れ違いで芳文さんが来るだろう。 「ごめんね。寂しい?」 「……別に寂しくないけど」  寂しくはないけど早く帰ってきてほしい。芳文さんとあまり二人っきりになりたくない。 「本当は寂しいでしょ?」  ニヤニヤしながら聞いてくる彼に無言でいると、それを肯定と受け取ったのか、ぎゅっと抱き締められた。 「できるだけ早く帰ってくるね」  そう言って彼は額にキスを落とす。  芳文さんとはこの前の水曜日に会った。先週と同じように放課後、校門の前で待っていた彼と映画を観に行って、その時も特別変わった事はなく普通に接してくれた。だが、過剰なスキンシップをとる上に、俺に好意を寄せているとなると、家の中で二人きりになると言うのは避けたい。

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