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第345話
「はぁ……っ」
(触って欲しいけど、触って欲しくない)
スラックスのチャックをゆっくり下ろされて、その僅かな刺激にさえ体をビクビク震わせる。
「ぁ、あぁん……っ」
ぐしょぐしょになった下着の上から軽く揉まれて、体の奥から耐えがたい程の熱が湧き上がってくる。
(いきたいけど、いきたくない)
こんな刺激でいかされたくない、と思うのと同時に、ここで絶頂を迎えたら恐ろしい程の快楽に呑み込まれそうな気がした。
「あぁあっ、あう……っ」
「少し触っただけなのにこんなにして……ほんと純は誰でもいいんだね」
「あっ、っ、よく、なっ……まさかずさ、じゃなきゃっ」
「ふーん。じゃあ俺以外でイくなよ」
彼は冷たくそう言うと、近くにあったローターを拾って、スイッチを入れる。ヴヴヴ……と振動し始めたそれを股間に押し付けられて、全身をビクビク震わせて腰を引いた。ビリリとした快感が全身を伝って、下腹部にズキズキと熱がたまる。
「や、ぁう、ぃく、いぐ……っ」
「……これくらい、我慢できるよね?」
先ほどとは違って、甘い声で優しく問いかけてくるが、行為そのものは一切慈悲がない。下着を脱がせて直接先端を責める非情な彼に必死で懇願するが、望みは薄い。
「はっ、たすけ……お願い、おねが、たすけて……あぁう、ぃく、いっちゃ」
「じゅーん。我慢」
「はぁっ、ぁ……がまんっする、から、がまんするからぁ」
「舐めて」
彼はそう言って、自分の指を無理やり俺の口の中に入れてくる。口腔を二本の指でぐちゃぐちゃに掻き回されて、ただでさえ荒い呼吸がいっそう乱される。
「はっ、ふっ、んん」
指で舌を絡めとり、弱い上顎を擽るように刺激する。振動し続ける玩具から逃げるように腰を捩れば、さらに強く押し付けられて涙をぽろぽろ零した。
「はあぁん、あ、あ……っ」
ちゅくちゅくと厭らしい音が鼓膜を震わせて、背筋がゾクゾクと痺れる。彼の指が口から離れると今度はそれが蕾をつついて、肉環をこじ開けるようにしてググッと入ってきた。
(あっぅ、助けてください、助けてください、助けてくださっ、もっ、苦し……っ)
「でちゃう、イっちゃ……も、だめ、ゆるし、許してください」
歯をガチガチ鳴らして懇願すれば、絶頂を迎える寸前でローターを止められて、大きく息を吐く。
「仕方ないなー」
彼の言葉にピクリと肩を震わせて期待するが、続いた言葉に絶望した。
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