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第397話

「俺は正和さんといられれば、それで充分だし」 「っ……」  素直に本音を告げたら、何故か正和さんは黙ってしまって、不思議に思いながら首を傾げる。 「なに? 俺なんか変なこと――んんっ、んぅ」  言おうとしていた言葉は正和さんからのキスで掻き消された。唇が合わさって、熱い舌が入ってくると煽るように責められる。  上顎を擽られ、舌を絡め取られて、激しく犯されるようなキスに、下腹部にズキズキ熱が溜まった。こういうキスは凄く久々で、気持ち良すぎて腰が蕩けそうになる。 「はぁ、んん」  ちゅっ、ちゅっ、と厭らしい水音を立てながら唇を重ねられて、思わず正和さんの胸をきゅっと掴めば、クスッと笑われて唇が離れた。 「ふふ、勃ってる」 「だって……!」 「さ、ご飯にしよっか。お昼まだだったよね」 「~~っ」  立ち上がってキッチンの方へ行ってしまう正和さんの後ろ姿を睨み付けて、もじもじと脚を擦り合わせる。パンツが少しだけ濡れてしまって気持ちが悪かった。  こんな感じで一ヶ月も我慢しなきゃならないなんて泣きたい。 「純ー。ご飯にするからおいで」 「……はーい」  それでも、正和さんとずっと一緒にいられるなら、一ヶ月くらいなんとか我慢できる気がした。  セックスはできなくても、その分スキンシップをとってくれるし、優しくしてくれる。今週末だって指輪を買いにデートに行く。こんなことで嬉しくなってしまうなんて、なんだかおかしな感じだし、前なら絶対考えられなかった。  俺、本当に正和さんが好きなんだ……。男同士なのに……変なの。 「どうかした?」   性格も見た目も性別も、全部俺の好みからはかけ離れているけれど、今は正和さんの全部が大好きで、凄く凄く幸せだから、そんなことすぐにどうでも良くなった。 「ううん。正和さんの作るご飯美味しいな、と思って」 「それは良かった」 「……俺も料理上手くなって、卒業したら毎日作ってあげられるように頑張る」 「っ……だからさぁ、なんでそう可愛いこと言うかな」  正和さんは仕事も忙しそうだし、そういうところで支えていってあげたい。そう思っただけなのに、正和さんは何故か照れ顔だ。

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