400 / 494
第400話
「顔真っ赤」
「……うるさい」
クスクス笑う正和さんの肩に腕を回して、首を少し傾けながら口づける。冬だからか少し乾燥した彼の唇は、あまり柔らかくない。ちゅっ、ちゅっ、と啄むように何度もキスをして、正和さんの舌をゆっくりなぞる。
「ふっ……ん、ぁ」
舌を絡め取って深く口付ければ、正和さんも控えめに応えてくれた。ちゅく、ちゅく、と厭らしく響く水音に恥ずかしくなりながら、舌を絡めて唇を吸い上げる。
「はぁ、ん……んン」
やば……これ、ムラムラしてくる。
腰をモジモジと動かせば、正和さんは楽しそうに目をスーッと細めて、太ももを厭らしく撫でてきた。そんな彼の手から逃れるように腰を浮かせれば、背中に腕を回されて、唇を甘噛みされる。
……何分経った?
そろそろかな、と唇を離そうとすれば、後頭部を押さえられて深く交わった。打って変わって激しくなるキスに、腰骨の奥がゾクゾク痺れて、目の前がクラクラ霞む。
「ぁっ、ン……はぁ……っ」
下腹部がズキズキして苦しい。
敏感な上顎を撫でられると、体がびくびく震えて、くたりと力が抜けた。唇が離れていく時でさえ、厭らしく啄んでくるエッチなキスに、全身が蕩けてしまう。
「……腰抜けちゃった?」
涙を溜めた瞳で睨みつければ、正和さんはクスクス笑って、俺を膝から下ろした。
あ、勃ってる……。
下ろされた時にチラリと見えた正和さんのズボンが、僅かだが膨らんでいて嬉しくなる。俺に対してそういう気持ちにはならないんだと思っていた。
だが、自分のそこは彼の比ではないくらい反応していて、収めるのは大変そうだった。
「あのさ……授業料、やっぱりご飯作るとかじゃ……」
「純がキスって言ったんでしょ」
「そう、だけど……っ」
「それにキスしてたら、俺も我慢できなくなったりして」
「え……それって」
「ふふ、どうだろうね」
正和さんは悪戯な笑みを浮かべて席を立つと、パソコンの前の椅子に座った。彼の言ったことが気になって仕方ないけれど、仕事を始めた正和さんにこれ以上聞くことはできなくて、勉強道具をまとめる。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!