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第407話
「――――」
「――――」
しかし、いつまで経っても話そうとはしなくて、小首を傾げる。
もしかしたら、凄く重大なことなんじゃないかと考えたら、心臓がドキドキしてきた。言いたくなかった、と前置きするくらいだから、俺に対しての不満の可能性もある。
「……なんか、大事なこと?」
緊張して震える声で答えを促せば、彼は頭を掻きながら、ばつが悪そうに口を開いた。
「あー、いや……えっと……、いま尿道炎だから……完治するまでちょっと待って」
そう言いながら俺から少し視線を逸らして頬を赤くする正和さんを、俺はぽかんと口を開けて見上げる。そのままパチパチと数回瞬きした後、彼の言葉を反芻して、おもむろに聞き返した。
「――――尿道炎?」
「……うん」
「それって……病気? 炎症起こしてるの?」
「いや、大したことはないよ。ほら、ゴムつけないから菌が……ちょっとね」
正和さんは照れくさそうに、頬を人差し指で軽く掻いて、視線を彷徨わせる。
「……でも今までならなかったじゃん」
「いや、まあ普段はならないけど……ストレスで弱ってたし」
「そ、っか……」
ストレス、ということは、やはり俺が原因なんだろうか。それなのに、はしたなく迫ったり、彼を責めるようなことを言ったりして、本当自分が恥ずかしくなってくる。
「ごめんね。だから治るまで待ってて」
正和さんは俺と目を合わせて申し訳なさそうな顔をするけれど、彼は全く悪くない。
「……それなら、言ってくれれば良かったのに」
「だってなんかカッコ悪いし。……純へのお仕置きにもぴったりかなって」
そう言って、いつもの正和さんらしく、スーッと目を細めて意地悪げな顔をする。
「普段ならエッチ禁止なんて絶対嫌だけど、おかげで可愛い純も見れたし」
「っ……」
俺の腹部についたままの白濁液を指でツーっと撫でられて、顔がかあーっと熱くなる。それを誤魔化すように正和さんから顔を背けて、口元を腕で覆った。
「……どれくらいで、治るの?」
「だいぶ良くなったから、あと一週間もすれば完全に治ると思うよ」
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