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第417話

「おすすめですと……プリンセスラインもお似合いになると思います。スリムなのでこちらのスレンダーラインでも良いかもしれませんね」  先ほど見せられたふわっふわのドレスと、すっきりとしたシルエットのドレス。それを見た正和さんは、ふわっふわなドレスに興味があるようで、スカートに少し触れてじっくり見ていた。 「ふーん。あとは?」 「脚が綺麗なのでミニタイプでもお似合いになると思いますよ~」 「ミニスカートもあるの?」 「はい、ございます。ミニタイプですとこちらですね」 「じゃあ、これとさっきのプリンセスラインも着せて」 「かしこまりました」  話が勝手に進んで、ニコニコした店員さんに次々とドレスを着せられる。正和さんは俺が試着するたびに、その姿を写真に収めて、至極ご満悦のようだ。  だけど、膝上丈のドレスばかり着せられて恥ずかし過ぎるし、想像していたウェディングドレスとはちょっと違う。 「――――セミオーダーになりますと三ヶ月、サイズ直しのみでしたら二週間ですね」 「じゃ、最初に着たやつとこれで」 「えっ……二着も? てか、これやだよ」 「何で? 凄く可愛いよ」 「っ……だって短すぎるじゃん」  女の子が着たら、そりゃ可愛いだろうけど……男の俺がこんなの着ても滑稽なだけだ。 「そうかなぁ。すごく似合ってると思うけど」 「――――」 「着てほしいなぁ。……だめ?」 「~~っ、……別に、だめではない」 「ありがとう」  満面の笑みでそう言った正和さんが本当に嬉しそうだったから、着てあげるのも悪くないかな、なんて思って顔が熱くなった。喜んでもらえるのは、俺だって嬉しい。  一番最初に着たAラインのドレスと短い丈のドレスをサイズ直ししてもらうことにして、靴は途中で試着したヒールのそんなに高くない靴を購入して店を出る。 「お昼なに食べよっか。お腹空いたでしょ?」

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