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第87話
リビングに皆が居る。
↓
声が聞こえちゃう。
↓
リ○ダ困っちゃう(c ちびま○子ちゃん)
ってことは、だ。
つまり、声が聞こえなきゃ続きが出来る、ってことだ。
なら。と、俺は掌で自分の口を塞いで、空いた手を壁につく。
膝を付けて、お尻を後ろに突き出して。
「ん。ん〜ん(ど〜ぞ)」
あきくんを振り返った。
「え、………、え…?」
戸惑いの表情を見せながら、あきくんも自らの口を押さえる。
掌から覗くほっぺを赤く染めて。
う~~ん……
そうやって、あきくんも声を抑えようとしてるのかも知んないけどさ。
ノンノン。十碧くん、そんなんじゃ満足できません。
口じゃなくてさ、他に触んなきゃいけないトコ、あるんじゃないの?
「あきくんの手は、俺の、」
体ごと振り向いて、あきくんの両手を引っ張った。その腕の中にすっぽりと収まってから、くるんと向きを入れ替える。
背中から抱き締められる形にして。
「ココと、」
片手を乳首に誘導する。
「それから、こ~こ」
もう片方は、触れてもらうのを待ち侘びてやまない俺の熱に。
「えっ、あっ…、とあっ!?」
「な〜に? 俺、どーぞって言ったじゃ…ぁン」
緊張してる所為なのか、あきくんの手に不意に力が篭って、ち○こをキュッて握られた。
「あっ、ごめんっ!」
ん〜…、謝んなくていいし。
気持ちよくて声出ちゃっただけだし。
寧ろもっといっぱい握ってください!ってんだ。
…おっと違った。
握ってほしいのも本当だけど、それよりも、だ。
あきくんは果たして分かっているのやら。
俺、脚揃えて後ろ向いてんだよ。
そんな十碧くんに、あきくんは一体何をしたら良いのでしょーか?
「えっとぉ……、あきくんさ」
「えっ、…あっ、はいっ」
あきくん、キョドり過ぎです。
「素股って、知ってますか?」
「すま……、っ!!」
あきくんは、顔を更に赤く染めて口を押さえました…って、さっきのもアレか。声抑えようとしてた訳じゃなくて、咄嗟に口元押さえちゃっただけか。ビックリしたかなんかで。
「えっと、知ってるみたいなので続けます」
「ぅ………、はい…」
うぅ〜ん…。なんかさぁ、あきくんのが反応、受けの子みたい。
俺、受ける側でいいんだよね!?
今更誰も、十碧×あきくんなんて望んでないよ?!
「でぇ、あきくんはね、俺の太ももで……うん、あの…してもらって、でね、俺 多分それだけじゃイケないと思うからね、あきくんに触って欲しいんだけど……。だめ?」
「〜〜〜…ぃ///」
「え?」
「十碧が…ッチ過ぎて理性が飛ぶ…」
ッチ過ぎて、ってなんだ?
「少し待ってて!」
「えっ、待てって…」
俺のこと置いといてどっか行っちゃうつもり!?
───なんて思ったのは一瞬のこと。
見ている先であきくんは、お風呂の栓をキュポッて嵌めて、浴槽にお湯を溜め出した。
あれ?いきなりお風呂に浸かる流れ?
「と〜あ」
「え?…はい?」
「僕を散々煽った責任、取ってもらうからね」
「え?う…、うん…?」
そりゃもう、願ったり叶ったりですとも。
「お湯の音で声も少しは抑えられると思うから、激しくしても平気だよね?」
願ったり叶ったり、なハズなんだけど……
「覚悟してね。十碧」
俺はどうやら、あきくんの『雄スイッチ』を入れてしまったようです。
やったね!
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