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第88話

覚悟して、なんて言ったクセに。 俺をメチャクチャにする気なんてないんだろう。 背中からそっと優しく包み込まれて、胸の尖りにちろりと触れる。 「んっ…」 小さく声を漏らすと、「ここ、いいの?」 そう囁いて、くにってやんわり摘ままれた。 優しすぎる乳首への愛撫。そんなの普通だったら物足りないハズなのに、それを与えてくれてるのがあきくんだからなのか…。 「あっ、…ン」 いつも使ってるピンクローターより全然弱い刺激に、腰が疼いて… 勝手に体がクネって、足から力が抜けていく…… 「十碧、立ってるの辛い?」 「ひぁ…っ」 そのいつに増して甘さを孕んだ囁きが耳孔に入り込んだ瞬間─── 「!?───う…そぉ……」 まだ触られても居ないソコから俺は、白く粘ついたモノをトロリと吐き出していた。 擦ったのではなく、限界だった訳でもないから、勢い良くタップリ出ちゃったんじゃないけど…… 乳首一つ+エロボイス オンリーで軽くイカせちゃうとか、なにこのテクニシャン!? これであきくん、童貞なんだよね!? ちょ…っ、なにコノヒト、未知の才能怖いんだけどっ! 「大丈夫?十碧」 クタリと力を失った体を支えて、心配してくれるあきくん。 「……えと、イッちゃった…?」 イッちゃったね!早くてゴメンネ!! 恥ずかしくて何も返せないでいると、唐突に体が重力に反してふわりと浮かび上がる。 降下したと思えば、イスに座ったあきくんの膝の上に後ろ向きに乗せられた。 「少し休もうか」 俺が早々にイッちゃったからか、その余韻でちょっと大人しくなってるからなのか。 これで終わりと言わんばかりに、あきくんは俺の腰を支えながら、頭を肩に寄り掛からせてくれる。 だが、その行動、優しさには違いないけどさ、あきくん!それは100点満点中30点以下のお答えですぞ! 俺、言っても軽~く出ちゃっただけだからね。 すぐに復活出来るんだから! それに、俺は兎も角、あきくんはどうなんだよ。 乳首だけでイカせたことはそりゃ、男として誇らしいことかもしれんさ。満足感も得られよう。 でも自分はギンギン…いや、あきくんに対してそんなギラギラした言い方は相応しくないよな。 御尊棒に神降ろししといて、そのまま放置なんて───、お天道様がお許しになろうとも、この十碧くんが承知致しませんぞ!! 当てないようにちょっと離してんのは感じるけど、でもチロッチロッて、腰に時折触れる熱くて硬いモノ。 俺に気付かれないとでもお思いか!

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