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第106話
あきくんの手が、俺の頬に伸びてくる。
指の甲でこしょこしょ擽られて、くすぐったさにクスクス笑うと、あきくんはその優し気な目元をやんわり細めた。
始め方が分からない、なんてカッコ悪いこと言ってても、ただそう言う顔をするだけで雰囲気づくりはバッチリ、なんて…。流石 麗しの超絶美形王子様。
ちゅって軽く唇が触れて、それから 感触を確かめるように何度も、啄むようなかわいいキス。
「唇、痛くない?」
「…うん。もうヘイキ」
気遣わしげな目に笑って首を振れば、背中に手を添えてゆっくりと───ベッドに横たわせられた。
ふわふわ 良い香りのベッドに背中を預けて、とびきり綺麗な王子様に覆い被されれば、そこは一気にうっとり夢の世界。
だけどコレ、現実なんだよね…。
あきくんが美形過ぎて夢と現の狭間につい入り込んだ気分になっちゃうけど、目の前の王子様は幻じゃなくて実物。
変な声出したり「ヤダ」って言ったりで、萎えさせたりしないようにしないと…!
だけどそんな心配は、やさしいキスが深いものに変わる頃には、記憶の隅で溶けていって……
「あっ、…ン、そこ…っ、やんっ、だめぇっ」
耳、首、鎖骨と唇と舌でなぞられて、指で胸の飾りをクニクニされる度に、鼻にかかった甘い 媚びたような声が唇から漏れていく。
そんな俺の姿に眉を顰めるでもなく、あきくんは嬉しそうに微笑んだ。
色気ダダ漏れの妖しい笑顔で。
「と〜あ」
「ぁンッ…、耳元でしゃべっちゃ…ッ」
「フフッ、きもちい?」
「んッ…、だめぇ、息…、っ…イッちゃうからぁっ…!」
「…かわいい」
うっとりと熱い息を吐き出すと、あきくんはそのまま俺の耳にかぶりついた。
口内に含んだまま耳朶を舌で舐 られて、俺が体をビクンビクンと撓 らせれば、満足したのか今度は穴へと舌を挿し入れてくる。
「今度はちゃんとイカせてあげるね」
ピチャピチャと濡れた音に混じって聞こえたあきくんの声。
その意味を解する前に、下半身に強い刺激を覚えた。
「あ…ッ!」
いつの間にはぎ取られてたのか、見下ろせば、剥き出しの俺のち○こをあきくんの白く綺麗な指が握り込んでる。
先っぽから溢れた蜜で指を濡らして、ジュブジュブ音を立てながら、手に収まるサイズのソレを扱いてる。
あきくんが俺にエッチなことしてる……
そう思うだけで頭ん中訳わかんないくらいきもちよくなっちゃうのに…
硬く尖った乳首をきゅーって引っ張られて、逃せない快感に腰が勝手にカクカクして、
「あっ…、も…っ…」
「十碧、イッてごらん」
耳に直接、吐息といっしょに入り込んできた甘い声。
「ン──あぁっっ…!」
その言葉 に触発されるように、俺はあっけなく白濁を撒き散らしたのだった。
…あっ! 俺のエッチなお汁、あきくんのお腹に掛かっちゃってる!
なんてエロいお姿………ポッ
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