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第112話

「ご納得頂けましたか?」 あまりに甘く、蠱惑的に微笑むものだから、俺はその顔に見惚れながら小さくコクンと頷くことしか出来なかった。 だから、あきくんの行動に対する反応も遅れてしまって……… 顔が近付いてくるからふっと目を閉じて。 僅か1秒。 「───わっ!? なにっ!?」 キスする流れじゃなかったの!? 気づけば俺の体はまた、ひっくり返されていた。 あの…、ひっくり返され、と言うか、うつ伏せにされたとかじゃなくて、なんて言うかな…、その……… さっき太腿にキスマーク付けられた時と同じ、開いた脚を高々と持ち上げられて……… あ゙あ ぁ゙………!! なんでまた丸見えにされちゃってんの!? 俺の下半身んんんっ!! 「あのっ!? ちょっ…、あきくん!? その格好恥ずかし…、っ!!?」 「…ん?」 「ぁっ、え…!?」 ん? じゃないよ……!! ちょっ、なにしてんのこの人!? どこ舐めてんのその綺麗な舌でえぇぇ!!? 「ンっっ……、あきくん…っ、だめっ、そんなトコ…っっ!」 「……、ん〜ん」 「んーんじゃなくてっ! ひぁ…っ、だめだってぇ…、……ん…、そんなトコ、きたな…」 「…くはないよね? だって、僕の十碧は何処も彼処も綺麗なんだから」 「ぅぐ………」 そんな……、輝く笑顔を、……自分の股越しタマ越しに………うぅ……… 「もしかして、僕の舌が汚いからやだった?」 「それはない! あきくんは全部きれいっ!!」 「なら問題無いね」 有無を言わせぬキラキラ笑顔のあきくんに、否を述べることが出来る者などこの世界にいましょうか。 少なくとも俺は、それを成すのが不可能な人間です。超絶美形王子様の暴走を止める術なんて持ってない。王子系攻め様尊い。 くちゅ…ピチャ… 「ん……あぁっ」 小さな筈の水音が、やけに耳に響く。 「もっ…、ふやけちゃう…っ」 フッと漏らされた吐息みたいな笑みが敏感なそこを撫でて、腰が跳ね上がった。 「だってここ、柔らかくしないと怪我しちゃうから。ね?」 ふんわりと微笑むとまたソコに顔を埋めて、チュッて口づけを落とす。わざと音を立てて。 羞恥を煽る優しくてイジワルな人。 その目の前でヒクリと目に見えて疼いてしまったことに、俺の体はまた勝手に熱を上げる。 「もっ…、はやく挿れてよぉっ」 自分ばっかり乱されて、あきくんはいつまで経ってもキレイなままで。 ずるい、そっちも乱れてよと誘えば、あきくんはクスリと場に似合わない笑みを浮かべて、 「じゃあ、1本からね」 短く爪が切り揃えられた長くて綺麗な指を、あきくんの唾液と俺の溢した先走りでヌルヌルに濡れた入り口にそっとあてた。

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