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第23話

「トア、取り敢えず上がんぞ。他人(・・)がウロウロしてんなら俺が居ても変わんねぇよな」 「十碧のお見舞いに来てくれたのかな?ただの(・・・)先輩なのに、わざわざありがとう」 えぇ………? この人たち、なんでバチバチしちゃってるんでしょうか……? 鞍馬が感じ悪いのはいつもだけど、あきくんまでなんか…、言葉に棘があるって言うか……。 「おばさんは?」 「え、母さん?母さんなら仕事で居ないけど」 「ならいいだろ」 と言いつつ、ほんとに靴を脱いで上がり込む鞍馬。 「父さん居るよ?」 「おじさんは平気。おばさんは俺のこと苦手視してっだろ」 「ああ。鞍馬は乱暴者だから。母さんが好きなタイプ、キラッキラの王子様だからね」 俺の男性アイドル好きは、実は母さんの影響だ。 皆がアン○ンマンのDVD観て親の用事が終わるのを待ってた時、俺が観てたのはアイドルのライブDVD。 アンパ○マンのぬいぐるみよりもアイドルの団扇に興味を示し。 お遊戯ダンスじゃなくてアイドル曲に合わせて踊ったりしてひとり遊びしてたらしい。 「ああ…。で、コレが受け入れられてるワケな」 「あっ!そう云うトコ!あきくんのこと顎で差すとかめっちゃ失礼!」 こんな神々しい人になにすんの!って睨み付ければ、アホか、と軽く頭を小突かれた。 すかさずあきくんが叩かれたトコをよしよしって擦ってくれる。 おい鞍馬! これ見ても分かんないか! どっちが俺のこと大切にしてくれてるかって。 「えー?ほんとになんの用?ピザ来ちゃうんだけど~」 「お前、俺とピザとどっちが大事なの?」 「ピーザ!」 決まってんだろ! 別れた浮気彼氏と目先のごはん。そんなんごはんに決まってるわ! 「まあいいや。でさ、お前に言われたこと考えてみたんだけど、どうもしっくりこねぇんだわ」 俺の昼食を いいや の一言で済まして、何を言い出すかと思えば…… 俺が言ったこと? ……別れた理由? そもそもテメェの浮気が発端だわ!!

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