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第35話
アニソンを歌いまくる関。
○'zとミス○ルをがなる西野。
うん、お前らそれ、女子の前では絶対やめろよ。
100%ドン引き、西野に至ってはお母さん世代から袋叩きだ。
ハッシーは謎の洋楽を一曲歌って、後は聞き役。(発音良すぎる上、字幕を見ても読めないので、ラブソングなのか社会派ソングなのかさえ謎のまま)
俺はいつも通り、大好きな(男性)アイドルたちの曲。
あきくんもなんと!俺の大好きなアイドルのバラード曲を歌ってくれた!!
もう見た目王子様で、歌声美声で、選曲俺好みって………もう、神か!欠点無いんか!?
もう抱いてっ!ってなっちゃうじゃんかぁっ!
あっ、そこ!違うから!西野のドリンクお替わり持ってきた店員さん、あきくんが歌ってくれてんの、俺の為だからね!お姉さんに聞かせる為じゃないから!!
だってあきくん、「十碧が好きって言ってたから覚えちゃった」って言ってくれたんだもん。
「バラードよりノリの良い曲のほうがよかったかな。ごめんね」
歌い終わって感動のあまり静まり返っちゃった場に、ちょっと気まずそうに謝るあきくん。
そんな訳がありますか!!
「とんでもない!あきくん、かっこいいっっ」
「七瀬先輩っ!アニソン なんか分かります!?アニソンを是非とも1曲っ!!」
「やだやだっ、次はあきくん俺とK○nKiデュエット!」
「じゃあアニソンは代わりに俺が前前前…」
「「西野は黙っとけ!!」」
「ヒドイ…ッッ」
その後も騒がしく皆で歌って、最後は西野の歌の途中で皆が部屋から去るというお約束で、カラオケはお開きとなった。
最初はあきくんと2人が良いなって本気で思って渋ってたけど、やっぱり友達と遊ぶのも楽しいな。
あきくんがずっと隣りに居てくれたから数倍楽しかったってのもあるのかもしれないけど。
「この後ゲーセンの人~!はーい!」
「はーい!」
関が皆に訊いて、自らおっきく手を挙げる。
それから もひとり、西野も。
「華が無い…」
手を挙げない俺に、西野がうらめしげな視線を送ってきた。
誰を華呼ばわりだテメェ。そういうのは中身の無い乳デカ女にでも求めてろ。(←口の悪いネコ)
「俺、この後あきくんちだもん」
「なにっ!? 2人っきりでエロいことするつもりだな!?」
「はあっ!?」
………ばかめ。
「あきくんは西野と違って紳士だから、エロいことなんてしてきません」
「十碧を目の前にして!? 腕にぎゅってされて!? めっちゃくちゃ甘えて誘惑してくる十碧相手に!? いやむしろ我慢させる十碧の方!お前鬼畜だぞ!小悪魔なカワイコちゃん!否、見た目だけ可憐な大悪魔がっ!!」
「いや、バカだろお前。だからあきくんは紳士だって…」
それに、誰の見た目が可憐だっての。そんなん言うのお前だけだわ。いつもいつも。
「七瀬先輩っ!俺、先輩のこと誤解してたっス!アンタ神だ! 十碧のこと幸せにしてやってください!!」
って、このバカッ!あきくんにまで絡むなーっ!
「えっ、…あ、うん。もちろん」
はうぅ~~っ、もちろんだって!
聞いた!? あきくん、もちろん幸せにしますって!? 俺のこと!!
「うああぁ、十碧っ!良かったな!! 俺、十碧のこと今 心からしゅくふ──ぶべらっ」
「西野マジうっさい!」
俺があきくんの王子様スマイルに酔いしれようとしてるとこ、腕引っ掴んでブンブン振り回してこようとは…!
まったくもっていい度胸してんじゃねえか西野~~…
「関、コイツ置いてくからどうにかしといて」
「えっ!?や…」
「嫌とか言わねえよなぁ?」
ハナから言ってたじゃんかよ?
俺は今日はあきくんと遊ぶんだってよ。
それを、ここまで引きずり回したのは誰だっけなあ?ああん?
目は口ほどに物を言う攻撃を食らわすと、関は即行背筋を伸ばしてビシッと敬礼した。
「はっ!おまかせ下さいっ!!」
のくせに、なんだその物言いたげな目で俺とあきくんの顔を行ったり来たり。
ほんとに鈴原でイイんですか?とでも言いたげな……
「関く~ん?」
小首を傾げてにっこり笑いかけると、関の体は大袈裟なほどにビクついた。
「お似合いでありますッ!」
「………」
やっぱり思ってやがったな、クソ関野郎。
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