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第49話

───ここからは     十碧の想像でお送りします─── 「十碧、自分でシャツの裾捲って咥えてご覧」 「……うん」 そろりそろりと裾を手繰り寄せ、途中で手を止める。 乳首がギリで見えちゃわない位置。 「恥ずかしい?」 「うん…」 「でも、十碧。その位置だと、確かに乳首は隠れてるんだけど、かわいいピンクの乳輪はチラ見えしちゃってるよ」 「えっ…!?」 なんとも恥ずかしい指摘を受けて 慌てて裾を下ろそうとすると、手首を掴んで止められた。 「ほら、下げるんじゃなくて上げるんでしょう?早くしないとお母さんが帰ってきちゃうよ」 「う……、うん…」 優しい表情で意地悪を言うあきくんに じっと見つめられながら、シャツの裾を口に咥える。 出来ました、と目で伝えると、「よく出来ました」って頭を撫でてくれる。 「じゃあ、視ててあげるから自分で弄ってご覧」 あきくんの微笑に逆らえない俺は、ゾクゾクする視線に身を僅かに震わせながら、自らの胸の飾りに指を這わせた。 「可愛い、十碧。プックリしてきたね」 「んッ、……んン~」 見てるだけじゃヤダ、触って──って目で訴えると、あきくんは目を細めてふんわりと微笑んだ。 「十碧が、自分でおっぱい弄るから、って言ったんだよ。だから僕は見てるだけ」 「んーんん~~」 「ん?なぁに?」 シャツの裾咥えてる所為で喋れない。 だけど、俺が何言ってるか分かんないあきくんでも無いだろうに、言葉が理解出来てないフリなんて卑怯だっ。 イジワル。 * * * * * うん。意地悪なあきくんも全然アリだな! いつもみたく甘々なのも大好きだけど、飴と鞭の、鞭側のあきくんも嫌いじゃないんだよね。実は。 こう…さ、俺のこと好きだからこそ締めなきゃいけないトコは厳しく行く、みたいな。 あきくんのは、愛のある鞭だもん。 嫌がらせやイジメなら絶対お断りだけど、ちょっとした言葉責め、視姦はエッチにおいて有効なスパイスだよね。(と未経験のクセに語ってみる。) 一回ローターのスイッチをオフにして、テープで両胸に貼り付ける。 そんな間抜けな時間に、思わず素に戻っちゃうのが普通なのかもしれないけど、俺の胸はドキドキしっぱなし。 下だって反応しっぱなし。 だって、乳首だけでこんな気持ちいいんだよ! 後ろ弄ったりなんてしたら、一体どうなっちゃうの…!? そんなんワクワクしないバスがない! 今まで前しか使ってなかったなんて勿体無い。 …あ、でも、あきくんのコト好きになったから、こんなに積極的な気持ちになったのかもだから、タイミングとしては今がベストってこと? あきくんが好きって言ってくれるから、俺のカラダはこんなにエッチになっちゃったんです……なんてなッ、ムフフ。

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