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第50話

──ここからもまた     十碧の妄想でお送りします── 「あきくん、…見てばっかりいないで、触って?」 ツンと天を向くものを見せ付けるように突き出すと、あきくんは目を細めてふわりと笑った。 こんな事してる俺ばっかエロくて、あきくんは変わらず神聖さすら感じさせる王子様然なんて、ズルイ。 「あきくぅん…」 口を尖らせて強請ると、綺麗な笑顔のまま首を傾げる。 「何処に触って欲しいの?」 「……前と…後ろ」 「いいよ。触ってあげる」 意地悪しないで頷いてくれたあきくんは、そうしながらも「もっとエッチな言い方してもいいのに」って言って笑った。 「十碧は自分でおっぱい弄っててね」 「…うん」 * * * * * 両方の乳首に貼り付けたローターのスイッチを入れてから、ローションを手に取った。 どきどきどき…… 鈴原十碧、16歳。 本日ローションデビューです! * * * * * ちん○に直にローションが垂らされると、その冷たさに腰が跳ねた。 「冷たかった?」 「うん」 「ごめんね、十碧。すぐに温めてあげるから」 言うなり、穢れ無い綺麗な手が俺の勃ち上がった熱に触れ、先をきゅっと握られる。 「んっ…」 ゆるゆると動き出した手。その指にローションが零れて、所々艷やかに光を帯びる。 「あんっ……あっ、あッ、そこっ…」 「ここ、きもちいいの?」 「ん、ッ…、きもち、い…っ」 ぬるぬるの手で扱かれながら、先っぽの穴をグリグリされると、自然に腰が揺れてきちゃう。 乳首だって、自分で弄ってるハズなのにスゴくビリビリじんじんして…… 「ンッ、ダメぇ…っ、おっぱいとちん○、っ…いっしょ、だめぇっ」 「うん、きもちいいね。十碧のココ、濡れてきてる」 あきくんの手で上下に擦られて、ちん○がジュブジュブ恥ずかしい音を立てる。 そろそろと手を伸ばしてお尻に触ると、穴の方まで薄まったローションが流れてた。 カーッと顔が熱くなる。 「違うからねッ!いつもはこんなに早く濡れないからっ」 「じゃあ、今日はどうして?」 扱く手を止めないままに、あきくんは訊ねる。 顔だけ見れば、こんなことしてるなんて分からないような清らかな表情。 俺が、悪いことさせてるみたいに思えて、罪悪感よりも背徳感、余計にエッチな汁が溢れちゃう。 「あきくんが、触ってるから…」 「うん」 キラキラと光の花がほころんだ。 「なら、こっちでも気持ちよくさせてあげないとね」 指先が入り口をクルクルとなぞった。 「ん…っ」 「…こわい?」 「ううん、こわくない」 あきくんが、ふわりと微笑う。 「力抜いててね」 ちん○を擦る動きが速くなって、そっちに気を取られた瞬間、ぷつり、と。 ぬるつきを纏った指先が、俺の(なか)に侵入した。 * * * * * 結果、瞬殺だった。 前立腺ってドコにあるんだろ? そんな疑問を持って探し回る前に、一瞬で見つけ出されたソコに、無意識に擦り付けてちん○扱いて乳首のローターLv Maxにした瞬間、弾けて頭真っ白になった。 バイブ使う間も無かった。 「……ヤバ…ぁい……」 ハァハァと荒れる息を正しながら、ローターの電源をオフにする。 これ以上動かしてたら、今度は乳首だけでイッちゃう。いや、ついちん○に手が伸びちゃう所為なんだけど。 つかさ、コレ、よくBLで見るやつだ。 処女だった受けの子がお尻で簡単にイカされちゃって、ホントに初めてなの?って(からか)われるやつ。 俺、ネコの素質ありまくりってやつじゃん…… あきくん、俺が感じやすいこと、喜んでくれるかな? それとも、下品だなって引かれちゃうかな…? ティッシュで後始末しながら悶々としてると、ベッドの隅からバイブ音が聞こえた。 今度は間違わないぞ!スマホだろ? またあきくんからかも。 丁度いいから本人に訊いちゃおう。 感じやすい体でも引かない?って。 体を伸ばしてスマホを引き寄せてケースを開くと…… 「鞍馬かよ!」 愛しのあきくんからじゃなくて、もう終わった元カレからの着信だった…! 乳首ローターの名残、ちょろっと盛れてたちん○がシュンと縮み込む。 「はい、なーに?」 『オイ、また不機嫌そうだな』 そりゃそうだ! こっちはつい今の今まで、あきくんとめくるめくひとときを過ごしてたんだぞ。妄想でだけど。 「鞍馬の声聞いたら萎えた」 『は?オナニー中だった?』 「るっせ!あきくんとイチャイチャしてたんだってーの!」 妄想でだけど。 『なら、なんで電話出てんだよテメーは』 「ホントだ…!!」 あきくんからだと思って手に取ったけど、鞍馬だったんだから出なけりゃ良かったんだ!! 「おおっ!…んじゃ、切ったら着信拒否しとく~♪」 『はっ!?そんなん言ってねーだろが!』 「じゃね。ばいば~い」 『オイッ!ト…』 プツッとな。 にしても、正直だなぁ。俺の体。 もしかして感じやすいエロい体なのかと思ったけど、これってあきくん限定じゃん。 恋人のみに感じまくっちゃう受けなんて、可愛い以外の何物でもなくない!? これ、めちゃくちゃ愛されボディじゃん! 鼻歌交じりに事後処理を済ませ、ティッシュを丸めてポンポーンと捨てた。 そして宣言通り鞍馬を着信拒否。 スマホに手を合わせる。 バイバイ、俺の初恋。 成仏してね。なむなむ。

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