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第51話

卒業式を翌日に控えたその日。 前々からの約束で、あきくんは高校の友達3人で集まり、卒業前日祭をやるらしい。 途端暇になった俺もせっかくだからと、中学の仲良し5人組グループLimeで仲間たちを呼び出した。 今も同じクラスの学年主席様、ハッシーこと橋上 裕久(はしがみ ひろひさ)。 女の子より断然可愛くてちっちゃい(けど見た目に反してキッツい物言いする)一見可憐な春野 怜(はるの れい)。 怜と同じ県立共学校に通う、怜ちん大好き、アホの篠巻 来生(しのまき ライ)。 全寮制男子校のお姫様、美人で可愛くて、でも自分に自信の無い控えめ男子、日比谷 月都(ひびや つきと)。(全寮制だけど移動圏内なので外出届出して出てきてくれた) それから、綺麗で可愛いって言われてる(って自分で言うのもなんだけど)、入学当初 先輩たちに一番株って位置付けられてた俺。 まあこの面子だから──ハッシーは優等生系イケメンだし、シノも見た目だけは良い。残念ながら──中学の頃は目立つグループだったらしい。 ファミレスでメニュー見てる今も、ちょいちょい視線を感じるし。 同年代の女の子達に、男の目も混じってる…のは、怜ちゃんに月都、ついでに俺もか。 「ねえねえ、今日ここスゴくない!? あっちにもイケメングループ居た!ここと毛色違う系の!」 「ヤバッ!あたしも見に行ってこよ!」 おいおい、隣の席のお姉さん。俺たちに聞こえちゃう声の大きさでその会話、いいの? 「俺と張り合うイケメンか…。見に行かねばなるまい」 シノは相変わらずバカだな。 「来生、見に行くのは後にしてさっさとオーダーを決めろ」 「はいは~い。…あっ!怜ちんは見に行っちゃダメだからな!」 「うるさい、ライちゃん。周りに迷惑になるから騒がないの。公害」 一人騒がしいシノと、そのシノに冷たい視線を送る怜。 公害、には賛成。 けど、 「なんで怜はダメなの?」 「え? だって、怜ちん俺のお姫様だもん」 「ん…?」 「彼氏と、…彼氏?」 「・・・ええっ!!」 驚いて声を上げたのは月都。 なんだ、気付いてなかったのか。と表情を1ミリも変えずにハッシー。 確かにな。 俺と月都にも甘いシノだけど、怜への態度はその数十倍。百倍。千倍。 メロメロって言葉がピッタリくるような………うん、なるほど。恋してたんだな、ライのやつ。 てーか、ライが恋とか気持ち悪いな。怜が恋、なら可愛いけど。 「簡単にバラすな!」ってライの頭をはたく怜は、赤く染めた顔をぷんって背けて。 恋する可愛い子は数倍増しで可愛いなぁ…って思った。 あきくんからも俺のこと、可愛く見えてるといいなぁ……

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