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第13話
その射抜くような輝きがましろを捉えた。
ドキリとまた一つ鼓動が跳ねる。
もうこれ以上ないほど胸はバクバクと音を鳴らしているのに、昴琉と目が合った瞬間に心臓は最大を超えて胸をうつ。
ましろは乱れた呼気を繰り返しながらおろおろと後退した。
(ご、ごめんなさい!)
言葉にならない謝罪を漏らした刹那、ましろは走り出した。
ぶるぶると震える足に鞭打って、必死に夜の学園を駆け抜ける。
頭の中には何度も何度も、淫らに重なりあう二人の姿が頭の中を埋めていた。
あんなの知らない、聞いたことない、わからない!
ましろは仄かに抱いた罪悪感と得体の知れない胸の痛みを掻き抱いて独り闇の中で彷徨う。
僕は、僕は──誰にとってトクベツになれるのだろうか。
漠然とした孤独は夜闇と一緒に溶けていく。
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