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俺が俺でなくなる 茜side

あれから数ヵ月がたち季節も代わっていた みのりさんも薊さんも何度もあの部屋に足を運んだがさなえとは会えなかった。 そこの家主であるあの男としか会えなかったそうだ 俺はまだ勇気が出なくてあの後会いに行けていない 「茜!」 「蓮華。おはよ」 「あのさ…さなえのとこにいる男なんだけど…」 「…あぁ。何度調べても何者かわからなかったんだろ…」 「やっとわかったんだ…」 「え?…」 「そいつの名前は久遠 繁。裏社会のドンと呼ばれている人…」 「…」 「表向きはクリーンな大企業だが女社長が亡くなりその後その会社を引き継いだ者は1度も表に出てきていない。業績がここ数年右肩上がりで力をつけてきている。そしてその世界に詳しい人に聞いたところ…あまり良い話は聞かなかった…松原 榊の会社を潰したのは久遠だ…」 「…」 「あのことの詳細もそれを調べているうちに出てきたよ…」 「詳細…」 「何であんなことがおこってしまったのか…もしかすると…さなえはそれを思い出したのかもしれない…だから全部捨てたのかもしれない。その後の幸せな記憶を…」

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