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俺が俺でなくなる 過去

あれは俺がまだ幼い頃だった。 父は元々とても忙しい人で家には滅多に帰ってこなかった。 俺には2つ違いの兄がいて兄と共に幼い頃は過ごしていた 母はとても優しくて綺麗な人だった お金に苦労したことはなかったと記憶している。 母が壊れたのはそれからしばらくしてのことだった ある日公園で遊んで家に帰ると部屋の中がぐちゃぐちゃだった。 何が起きたのかわからなかった。 家にいるはずの母と兄を探しているとみつけた…部屋の中で何も身につけずそこにいる母。 その下でもがく兄… 俺が帰宅したことに気付くと母は振り返り美しすぎる笑顔を俺に向けた 兄は怯え震えて動けないでいた。 何事もなかったかのように着替え夕食を用意する母。 その日から母には兄が見えていないようだった。 俺にだけ語りかけ俺にだけ笑い掛け俺にだけ食事を用意して俺とだけ一緒に寝た 俺は兄のことも大好きだった。何でこんなことになっているのかわからなくて。でもばれたらダメな気がしてこっそり自分の食事を半分隠して母が出掛けた後や眠った後に兄へそれをあげた

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