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俺が俺でなくなる みずえside

食事をして片付けをしてお風呂の準備も出来たから繁さんを呼びに言った 寝室は外の音を遮断するため防音になっている 部屋の扉を開けると繁さんがさなえと…交わっていた 気持ち良さそうに声をあげるさなえ。気持ち良さそうに体を朱に染めている繁さん… 何故…?また私から大切な人を奪うの? どうして?さなえ… 側に行き声を荒らげると繁さんが唇を塞ぎベッドへ私を押し倒した 私はあっという間に快楽の海へ溺れた 目が覚めたときは翌朝で私とさなえの間に繁さんが眠っていた 重たい体を引き摺るようにシャワーを浴びた 繁さんの欲が流れ落ちていく 繁さんの愛が私の体にいくつも花を咲かせていた でも…さなえと交わる繁さんの姿が目に焼き付いて離れない しばらくすると繁さんがやって来て浴室で抱かれた 事が終わると繁さんはお仕事に行った まだ眠るさなえを見つめる… 幸せそうな顔して眠ってる…何かが這い上がってきた だめだと思いながら私はさなえを殴ってしまった 悔しくて悔しくて…悲しくて悲しくて… でも…本当にさなえが悪いの?さなえが…こんな状態のさなえが繁さんのこと誘惑なんてできる? 出来るわけがないじゃない… そう思うと涙が溢れた…さなえ…ごめんね…きっと…繁さんは悪い男なんだわ…さなえまでこんな… さなえは優しく抱き締めて頭を撫でてくれた その日から毎日のようにさなえと交わる繁さんを見て見ぬふりをしてでもとても悔しくてさなえに暴力を奮って…その度後悔して… 私は…なんて最低な女なのだろう… やはり母にはなれないのかしら… 薊さんはとても素晴らしい人だった…みのりさんだって…幸せそうに笑うさなえの姿…たった一度一緒にいるのを見ただけなのに私は忘れられないでいた… 薊さんたちの元に返してあげた方がこの子はきっと幸せ… だから…何度も繁さんに話した。 さなえを返してあげようって… でも繁さんに結局丸め込まれてしまいさなえを解放できない… 私がいるときに茜くんや薊さんやみのりさんが来てくれないかしら…そしたら…返してあげられるのに… そのあと私が繁さんにどんな目に遭うのかわからないけれど

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