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久しぶりの我が家
久しぶりの部屋は荒れていた
「ごめんね…何も手につかなかったんだ…」
「うん。一緒に片付けよう」
二人で荒れた部屋を片付けていく。
綺麗になった頃にはもう夕方だった
「ご飯どうする?」
「リバーサイドに行く?挨拶したいし」
バーの時間帯は男女関係なく入れるようなシステムになっている
簡単な軽食はあるから早速向かった
悩んだ末従業員入り口からはいるとすぐに亀さんがやって来た
「さなえ!!さなえ!!よかった…帰ってきたんだな」
「心配させてすいませんでした」
「さな!!」
「店長」
「お帰り。」
「ただいまです…」
夜のスタッフで知っているのはこの二人だけ。他のスタッフはわからない
「もう体はいいのか?」
「はい。大丈夫です」
「学校辞めさせられたんだろ?」
「はい…」
「昼間何するの?」
「まだ決めていません」
「お前が良ければだけどうちで働かないか?」
「え?でも…」
「ここを辞めるって話しは聞いていたけど実はそのまま籍残していたんだ。だから…」
「いいんですか?でしたらぜひお願いします!!」
「よかった。」
「ありがとうございます!」
こうして俺は1日バイトをすることになった
「飯食いにきた?」
「はい。」
「準備するね、どうする?店頭で食べる?」
「裏が良いです。落ち着くので」
「じゃあ待ってて」
「はい!」
店長のおすすめで食事を用意してもらった
どれもとても美味しくてあっという間に平らげた
「店長。ごちそうさまでした。お会計は」
「いらねぇよ。お前の復帰祝い。」
「でも…」
「いいって。仕事はいつからこれる?」
「明日からでも」
「OK。んなら明日9時な。」
「はい!!ありがとうございます。ごちそうさまでした」
「てんちょー」
「ん?どうした?ゆず」
「ゆず…」
「あー!さなえじゃん!」
「知り合いか?」
「弟です。生き別れになった」
「兄さんいつからここで?」
「ん?えと…今日で半年だよ」
「そうだったんだ」
「やった!!たくさん会えるね」
「いやいや。さなえは18未満だから夜は入れねぇ」
「あ!そっか!偶然だね。彼氏の紹介でここ入ったんだよ。俺」
「そうなんだ」
「ゆずーなにやってんの?あった?」
イケメンが顔を覗かせた。あ…茜よりイケメンかも…
「あ!ごめん!ちーくん」
「誰だ?」
「弟!!」
「あの話していた弟?」
「そうだよ!美人でしょ」
「そうだな。聞いていた通りだ。初めまして。華陵院 千景です」
「華陵院て…あの?」
「あぁ…多分それで合ってる」
なるほど…確かに…金持ちでイケメン…
「兄さんこの人が?」
「そう。俺の彼氏」
「何で、兄さんが偉そうなの…」
「自慢の彼だからね」
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