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兄の交際相手
華陵院は国内だけでなく海外でも広くホテル業等を経営している。ホテル経営がメインなのだがそれだけでなく芸能事務所やファッション業界、飲食関係など幅広く手掛けている。
世界に名の知れた日本有数の大企業だ
そんなすごい人が何故こんなところで?
「…何でバイトしてるの?って思った?」
「はい。」
「社会勉強みたいなものだよ。亀さんの後輩なんだよね。その伝で」
「そうなんですね。」
「ほんと…美人だね。ゆずとまた違うタイプ」
兄は父によく似ていて喋らなければイケメンの部類に入る。あくまでも喋らなければだが
にしても美人て男に使う言葉じゃないけど…
「自分が美人って気付いてない?」
笑いながら言う千景さんの表情に見入る
「どうしたの?」
「いやぁ…兄には勿体無いくらいの人だなって」
「ちょ!!酷くない!?さなえ。まぁ自覚あるけど。でもいいの!俺はちーくんの言葉信じてるから」
「かわいいっ…ゆず」
あ…キャラ変わった…この人色んな顔持ってるな…
「あ。そうそう。弟くん」
「はい」
「俺ねゆずよりずっとゆずが大好きなの。もうね。ベタぼれなの。だからどっちかって言うと俺がゆずにわがまま聞いてもらってるんだよ。」
「…」
「あ…意外って思ったでしょ?」
この人は何でこうも人の心の中が見えるのだろう。やはり育ってきた環境?
「ふふっ…かわいい…さすがゆずの弟くん…やばぁい…檻に入れてゆずと一緒に飾ってたい…」
「…」
「この人危ない人って思った?」
「…何でそんなに人の心が見えるんですか?」
「なんとなく?かな?俺にもわかんない。まぁ…これからもよろしくね。俺ゆずと添い遂げるつもりでいるから」
「え!!ちーくん!!」
「え?何?ゆずはそんな気ないの?俺とは遊び?ショックなんだけど…ちーくん泣いちゃう…」
「ちがうっ!!違うよ!!ちーくん!もう…大好き!」
「千景…ゆず…いい加減仕事に戻れ。イチャイチャは家でやれ」
「あ…はい」
しょぼんと項垂れて二人して戻る姿は見た目にそぐわなくて何だか可愛かった
「なんか…すごいことになってるんですね…夜って…すいません…兄はうるさいでしょ?真面目にやれていますか?迷惑かけていませんか?」
「かなり仕事できるから頼りにしてるよ」
「え?意外…」
「あははっ!!あの子心を許した人の前以外では別人だからね。俺も最初はあまりにも硬派で大人しいから心配していたんだ。今となっちゃ無駄なことだったわ」
「迷惑かけてないのなら良かった」
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