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兄の家族
朝からのバイトにも慣れて来た頃兄の家族と会うことになった
今日は車でここまで迎えに来てもらうことになっている
ピンポンピンポンピンポン
しつこくインターフォンを押す人…
「兄さん!!鳴らしすぎ!!聞こえてるから!」
「だってぇ早く会いたかったんだもん!!」
「もう…しょうがないなぁ…」
俺に抱きつきぶら下がる兄を引き摺りながら車へ向かった
「おはよ。弟くん」
「おはようございます。千景さん」
「ちーくん!お待たせ」
千景さんの運転で向かう最初の場所は兄が預けられていた施設
「おかえり。ゆずきくん」
「お母さんただいま。こっちが弟のさなえです」
「こんにちは。私はここの施設長の雪城です」
「こんにちは」
とても優しそうな初老の女性だった。本当にお母さんみたいな暖かい空気を持った人
「そうそう。今日はね海吏くんも来てるのよ」
「そうなの?」
「えぇ。近くに来たからだって」
「そっかそっか」
「ゆず!久しぶり」
「カイちゃん!元気だった?相変わらず美人だねぇ」
「お前もな。俺はもうそろそろ仕事だから帰るけどゆっくりしていけよ」
「うん!」
海吏さんはどこかで見たような気もするけど…気のせいかと思い施設の中に入る。
ここの施設には生まれたての赤ちゃんから18歳までいられるらしい
兄が引き取られたのは今から約10年前
一目で気に入られてその人の子になった
暫く施設で過ごし今度は実家につれて行ってくれた。
ここから近いらしく千景さんは仕事で帰っていった
今日は泊めてもらうことになっている
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