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兄の家族
「ただいま!」
タタタッと走る音がだんだん大きくなり思いっきり兄に飛び付く何か…
「ゆずき!おかえりぃ!!」
「ただいま。母さん」
若い…小さい…可愛い…すっかり妹か誰かだと思っていたらお母さんらしい
「あ!!初めまして。さなえくん。ゆずきから話は聞いているわ。よろしくねぇ」
「よろしくお願いします」
「…」
小柄な彼女は俺を見上げ固まる
「えっと…何かついてます?」
「…」
「あの…」
「あぁぁぁぁ!!」
「え?」
「夏帆…うるさい…」
奥からもう一人こちらへやって来た
「騒がしくてごめんなさい。父の拓斗です。よろしくね」
お父さんも若い…
「だってだって拓ちゃん!!この子私知ってる!」
「え?」
「また例の…」
「間違いない!彼は竜 一路くんよ」
「ごめんね。意味わかんないよね…夏帆はね…」
「あぁ…何て美しいの…何て儚いの…あぁ…ステキ」
「えっと…」
「この子漫画とかアニメ大好きで…今
はまってるのに出てくるキャラに君雰囲気似てるんだよね」
「はぁ…」
「まぁ…悪い子ではないから仲良くして?」
「はい」
「一路さまー」
「母さん。落ち着いて。この子はさなえだから。俺の大事な弟だから」
「うん!うん!さなえくんね。うわー一路さまのプライベート」
「はぁ…全て流してくれ。ごめんね。初めましてなのにこんなにもうるさくて」
「楽しそうでよかった。安心しました」
リビングへ行くと色とりどりの食事が用意してあった
「すご…」
「ありがと」
「これって…」
「うん。父さんが全部作ってるよ。父さんはシェフで母さんはパティシエール」
「そうなんだ」
「一路さまのお口に合うといいけど」
「夏帆…いい加減にしなさい」
「はぁい。さなえくん。沢山食べてね」
「はい」
勿論味は最高だった
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